海外競馬ニュース 2009年11月05日 - No.44 - 1
ベットフェア社とブリーダーズカップ社、 賭事事業について提携(アメリカ)[開催・運営]

  ブリーダーズカップ社(Breeders’ Cup Ltd.: BCL)とベットフェア社は10月22日午前、画期的な提携を発表した。それは、(1) ベットフェア社(Betfair)はブリーダーズカップ競走(Breeders’ Cup World Championships)を対象とするベッティング・エクスチェンジ(個人対個人の賭け)を行い、その賭事収入からBCLに分配金を支払うこ と、(2) ベットフェア社の顧客(250万人)が、ブリーダーズカップ競走のパリミューチュエル賭事プールにアクセスできることを内容としている。

 BCLのグレッグ・アヴィオリ(Greg Avioli)会長は、この提携は世界的に関心を呼び、また賭事収入を増加させる一助となるだろうと述べた。

  同会長は、「当社とベットフェア社は、ブリーダーズカップ競走を対象とする国際サイマルキャスト賭事市場を成長させる取り組みを進めています。今回の提 携はその取り組みにおいて、重要な意味を持つ出来事になるでしょう。世界中の馬がますますブリーダーズカップ競走を目指すようになって、同競走への世界的 な関心と世界中からの賭事売上げは増加し続けています。このことによりブリーダーズカップ競走の最高水準の賞金を維持できるのです」と語った。

 この提携により、ベットフェア社は、(1) ブリーダーズカップの競走の映像をインターネットで動画配信すること、(2)(米国以外の)世界中の顧客にベッティング・エクスチェンジを売り込むことができる。

  ベッティング・エクスチェンジとは、(1) 顧客があるオッズ賭けを提供し、そのオッズで賭けを受けたい他の顧客が承諾すれば個人間の賭けが成立する、(2) その個人間の賭けの仲介者(ベットフェア社)は勝者の取り分の一定割合を手数料として控除し、払戻しを行うものである。

 ベットフェア社は10月21日午後6時の時点で、BCクラシック(G1)の賭けをすでに15万ドル(約1500万円)受付けている。1番人気はオッズ3倍のリップヴァンウィンクル(Rip Van Winkle)である。

 ベットフェア社は、BCLの使用許諾に基づき、ブリーダーズカップ競走のロゴマークを使用し、同競走で広告を出すことができる。

  ベットフェア社の競馬部長スティーヴン・バーン(Stephen Burn)氏は、「当社の顧客が米国の主要競馬イベントのパリミューチュエル賭事プールに直接アクセスできることに満足しています。当社は米国競馬界と互 いにメリットのある関係を築きたいのです。BCLとの提携はその第一歩です」と語った。

 BCLはブリーダーズカップ競走を対象として行 われるベッティング・エクスチェンジの賭事収入の分配割合を公表していない。また、パリミューチュエル賭 事に多数のベッティング・エクスチェンジ顧客がアクセスすれば、ブリーダーズカップ競走の馬券売上げが増大する。大きな賭金プールとパリミューチュエルを 通して提供されるエキゾチック馬券の払戻金は一般に高額で、ときには人生が変わってしまうような高額となることがある。エキゾチック馬券はベッティング・ エクスチェンジの賭事客にとって魅力的だろう。

 BCLとベットフェア社の契約内容は、BCLがブリーダーズカップ競走を対象として行う ベットフェア社のベッティング・エクスチェンジおよびパリミュー チュエル賭事収入から分配金を受け取ることである。すでにベットフェア社は、10月初めにデルマー競馬場とジアパーク競馬場と同様の契約を締結している。 ベットフェア社はまた、ペンナショナルゲーミング社(Penn National Gaming Inc.)とも協議中である。

 ベット フェア社とBCLは、すでにベットフェア社の米国ベースの競馬テレビチャンネルTVG社(Television Games Network)を通して提携関係にある。ベットフェア社は2009年1月、TVG社を5000万ドル(約50億円)で買収した。TVG社はブリーダーズ カップの公式メディアパートナーであり、BCマイル(G1)のスポンサーでもある。

 

By Frank Angst
(1ドル=約100円)

[thoroughbredtimes.com 2009年10月22日「Betfair, Breeders’ Cup reach deal on wagering revenue」]