米国の馬券売上げが急落しているので、ベッティング・エクスチェンジ賭事による追加的収益は競馬産業のリーダーたちには魅力的に見え始めている。
ベットフェア社(Betfair)は、英国を本拠とする賭事仲介会社であり、賭事参加者たちが賭事客と胴元の両方の役割を演じることのできるベッティング・エクスチェンジを提供している。このたび、ベットフェア社は米国の代理人としてジェラード・カニンガム(Gerard Cunningham)氏を雇った。ベッティング・エクスチェンジはパリミューチュエル賭事ではないので、ベットフェア社(あるいは他のベッティング・エクスチェンジの提供会社)が米国で賭事を営むには制度変更が必要となる。ホースマンや競馬場の間で、控除率に関する合意も必要となるだろう。
全米ホースマン共済協会(National Horsemen's Benevolent and Protective Association: NHBPA)のジョー・サンタナ(Joe Santanna)会長は、カニンガム氏と会合した。
メンバーにベッティング・エクスチェンジを推奨しているサンタナ会長は、「新たな収入源を得る可能性を閉ざす時ではありません」と述べた。
ホースマンたちは、ベットフェア社が現在米国の競馬映像に料金を支払っていないことに苛立っている。米国の賭事客がベットフェア社を通して賭事を行うことは稀かも知れないが、米国以外の賭事客はベットフェア社のサイトを通じて米国のレースを対象に賭事を行うことができる。
ホースマンたちに働きかけるために、ベットフェア社は2007年にNHBPAのスポンサーとなり、2008年のNHBPAの夏季会議で講演した。ベットフェア社はスポンサーシップの更新を交渉中である。カニンガム氏はまた、競馬映像権の交渉を行っているサラブレッド・ホースメンズ・グループ(Thoroughbred Horsemen’s Group: THG)と会合した。
THGのボブ・リーヴス(Bob Reeves)会長によれば、THGはベットフェア社が現在賭事客に提供している競走の適正価格を検討中である。
リーヴス会長は、「パリミューチュエル賭事とは全く異なる商品です。私たちはベッティング・エクスチェンジを評価しています」と述べた。
ベットフェア社はコメントを控えた。実際に、同社は米国に代理人を置いていることを否定した。
マクロヴィジョン・ソリューションズ社(Macrovision Solutions Corp.: MSC)が2009年前半にテレビジョン・ゲームズ・ネットワーク社(Television Games Network: TVG)を売却することを望んでおり、このTVGはベットフェア社の米国市場への進出の足掛かりとなる可能性がある。ユーベットコム社(Youbet.com Inc.)もTVGに興味を示しており、一方でTVGへの興味を示すには至ってないがチャーチルダウンズ社(Churchill Downs Inc.)も投資可能な資本があると言っている。
MSCのフレッド・アモルーゾ(Fred Amoroso)会長は、「当社の競馬賭事チャンネルであるTVGのネットワークを、2009年前半に売却する方向で進めています」と述べた。
By Frank Angst
(1ドル=約100円)
[Thoroughbred Times 2008年12月27日「Betfair could reach into U.S.」]