ベッティング・エクスチェンジを提供するオンライン賭事で有名なベットフェア社(Betfair)の存在感が米国で高まっている。同社は1月27日に競馬映像を取扱い電話投票賭事(advance-deposit wagering: ADW)を提供するテレビジョン・ゲームズ・ネットワーク社(Television Games Network: TVG)を買収した。
TVGを5000万ドル(約50億円)で売却したのは、マクロヴィジョン・ソリューソンズ社(Macrovision Solutions Corp.: MSC)である。電子エンターテイメント技術会社であるMSCは2008年にTVGを以前の親会社、ジェムスターTVガイド社(Gemstar-TV Guide)から買収した後すぐにTVGの新たな買い手を探し始めていた。
米国ベットフェア社のジェラード・カニンガム(Gerard Cunningham)会長は、ベットフェア社はその専門的知識と技術を駆使してTVGを成長させるつもりだと述べた。
カニンガム会長は、「TVGの新たな所有者になることは、当社にとって大きな喜びです。ベットフェア社の世界的経験を基礎として、事業をさらに成長させるつもりです。良い顧客と優秀なスタッフを持つTVGがこの部門の優良企業となることを確信しています。競馬産業と手を携えて偉大なスポーツである競馬の販売促進に寄与したいと思います」と語った。
ベットフェア社の最高経営責任者デーヴィッド・ユー(David Yu)氏は、パリミューチュエル賭事を提供しているTVGの買収はベットフェア社にうってつけであると述べた。
ユー氏は、「私たちは、保守的な良さと慎重な運営方法を有するTVGの経営能力に以前から魅力を感じていました。買収による相乗効果が期待できます。当社は、事業の質が高まり、とりわけ適法な賭事商品の提供が可能になるまで、米国市場への進出を控えていました。TVGの買収によってこれらの目標を確実に達成できるものと考えています」と語った。
全米ホースメン共済協会(National Horsemen’s Benevolent and Protective Association: NHBPA)やホースメンズ・グループ(Thoroughbred Horsemen's Group: THG)のようなホースマンのグループの指導者たちは2008年12月、彼らがカニンガム会長と会合を持ったことを認めた。2008年の賭事収入の減少により、ホースマンたちは新たな収益源に関心を持っている。
NHBPAのジョー・サンタナ(Joe Santanna)会長は12月、「新たな収益源を得る可能性を閉ざすべきではありません」と述べた。
ベットフェア社は2007年にNHBPAのスポンサーとなっており、その代表者は2008年のNHBPAの夏季会議に出席していた。
By Frank Angst
(1ドル=約100円)
[thoroughbredtimes.com 2009年1月27日「Betfair purchases TVG from Macrovision Solutions」]