海外競馬ニュース 2009年03月05日 - No.9 - 2
オレゴン州競馬委員会、 ベットフェア社の審査を開始(アメリカ)[開催・運営]

 オレゴン州競馬委員会(Oregon Racing Commission: ORC)は、ロンドンを本拠とするベッティング・エクスチェンジ(個人対個人の賭け)の提供会社ベットフェア社(Betfair)がTVG社(Television Games Network)を買収したのを受けて審査を開始した。

 TVG社は電話投票賭事(advance-deposit wagering: ADW)と競馬テレビチャンネルを運営している。同社は広範囲に事業を展開しており、オレゴン州のADW運営業者の中では、売上げ規模が最大である。

 TVG(他のいくつかの主要ADW運営業者も同様だが)がオレゴン州を賭事活動の拠点としているので、ORCは1月27日の買収による所有者交代を審査する。ベットフェア社はTVG社をマクロビジョンソリューションズ社(Macrovision Solutions Corp.)から5000万ドル(約50億円)で買収した。

 ORCはベットフェア社の役員について審査中である。ORCの最高運営責任者ランディ・エヴァース氏(Randy Evars)は約45日間の審査期間はすでに始まっていると述べた。

 ベットフェア社の役員たちは、2月19日にORCの定例の面接を受ける予定である。

 エヴァース氏は、「2月19日の会合は主としてベットフェア社の役員たちとの顔合わせです」と述べた。

 エヴァース氏は、「TVG社は多額の賭金を扱っているので、ORCとしては徹底的に審査することが重要です」と語った。同社の2008年第1四半期から第3四半期までの賭事売上げは、3億8000万ドル(約380億円)を上回っている。同氏は、オレゴン州で現在営業している他のいくつかのADW運営業者は外国資本が株主に名を連ねていることに言及し、外国資本は特に問題を惹き起こすことはないと付言した。

 ベットフェア社はイギリスおよびその他の国において、ウェッブサイト上で顧客同士が賭事の申し込み(顧客)と受け入れ(胴元)を可能にするベッティング・エクスチェンジを提供している。このたびのベットフェア社に対する審査においては、ADWサイトを運営する能力に焦点が合わせられるだろう。ベットフェア社は現在のところ、米国でベッティング・エクスチェンジを提供する予定はない。

 ベットフェア社はいくつかのスキャンダルの渦中にいた。キーレン・ファロン(Kieren Fallon)騎手は2007年12月に終了した八百長裁判において、有罪判決は出なかったものの、17ヵ月間にわたり騎乗機会を失った。ベッティング・エクスチェンジに反対する人々は、賭事免許を持たない不特定多数の賭事客たちに負ける馬に賭けさせる(胴元になる)ことは、八百長が増える恐れがあると指摘している。ベットフェア社はこの事件では、1つの重要な証拠となる書類を提供し、警察に協力した。

 また、ワシントンポスト紙(Washington Post)は2007年7月、3人のイギリス人居住者がテロ行為目的の資金をマネーロンダリングするために、12のインターネット賭博サイトで盗難クレジットカードを使用したと報道した。ベットフェア社は、「その事件で3人が弊社のサイトにアクセスしようと試みましたが、不成功に終わりました。この情報は警察にも提供しました」と述べた。

By Frank Angst
(1ドル=約100円)

[Thoroughbredtimes.com 2009年2月13日「Oregon Racing Commission reviewing Betfair」]