困難な経済環境の中で、エプソム競馬場は2009年ダービー開催のスポンサーを決める入札が失敗したことを認め、同開催の2日間の全競走は現在、個々にスポンサーを受付けていると発表した。
賞金額に関しては、全競走リストの中でダービー、オークスおよびコロネーションカップが最も高額である。長期にわたってパートナーであったボーダフォン(Vodafone)がスポンサーから降りたため、役員たちはこれらの競走に対するスポンサーの勧誘に懸命である。
携帯電話の大企業であるボーダフォンは、ダービー史上たった2つのスポンサーの1つである。ボーダフォンは2007年にエプソム競馬場のスポンサーから降りたが、同競馬場の嘆願に応え2008年に1年間だけダービーのスポンサーに返り咲いた。オークスとコロネーションカップのスポンサーはジャドモント牧場(Juddmonte)が務めた。
4月完成予定の建設費用3800万ポンド(約64億6000万円)に上る新スタンドを含む競馬場再開発に伴い、競馬場経営陣はボーダフォンと新たな長期的な提携関係を築いてキャンペーンをスタートさせようと力を尽くしたが、景気悪化によって妨げられた。
それにもかかわらず、エプソム競馬場の最高経営責任者ニック・ブロフェルド(Nick Blofeld)氏は、ダービーが施行される6月6日にはスポンサーがついているだろうと“非常に楽観的に”考えている。
同氏は次のように述べた。「多くの人々と話合いました。ついこの間は、ある顧客との交渉において最終的な障害を乗り越えることができませんでした。現下の経済環境において、2日間にわたる開催に100万ポンド(約1億7000万円)以上出すスポンサーを見つけようとするのは、認識が甘いかも知れません」。
「それでもボーダフォンよりも低い金額であればスポンサーになってもよいと考える企業は多いので、今後はそのような潜在的スポンサーに焦点を当てて、スポンサーの席が空席であることを知らせ勧誘するつもりです」。
「私はダービーのスポンサー探しには大変楽観的です。世の中にはスポンサーとなる会社は絶対あります。しかし、現下の経済環境において新たに100万ポンド(約1億7000万円)を出費しようという企業は現時点では見つかっていません。長期契約に応じてくれる企業を求めています」。
エプソム競馬場は2008年、ダービー開催のためだけにしか開場しなかった。再び開場するのは新グランドスタンドを公式に開場する4月22日となる。
By Jon Lees
(1ポンド=約170円)
[Racing Post 2009年2月13日「Epsom admits defeat over Derby meeting sponsor」]