豪州で3日間開催されたウィリアム・イングリス社(William Inglis & Son)の1歳馬イースターセールは4月8日、前年比で粗利益10.4%減、1頭あたりの平均額8.5%減、中央値11.1%減の結果で閉幕した。主取り率は、2009年の16%を上回る20.2%であった。
イングリス社の販売部長であるマーク・ウェブスター(Mark Webster)氏は、「全般的に見れば、平均額は前年比8.5%減となりました。私たちが望んでいた数字ではありませんが、依然として22万AUSドル(約1,980万円)に上る平均額を保持していることを考えれば、それほど悪い数字ではありません。買い手が勝ったロットもあれば売り手が勝ったロットもあるセールだったと言えるでしょう。その点において公平なセールであったと思っています」と語った。
同氏は次のように続けた。「今回のセールは、2年前と比べて買い手の顔ぶれがまったく異なっていました。今年は、大口顧客の支出が400万AUSドル(約3億6,000万円)でしたが、2008年においては2人の顧客が4,000万AUSドル(約36億円)もの大金を支出しました」。
「市場で最優良馬を購買する用意のある新しい買い手を見つけることは、セリ会社としての我が社だけではなくセリ業界全体にとって課題であると思います」。
364頭を販売した2010年1歳馬イースターセールの粗利益は8,043万5,000AUSドル(約72億3,915万円)である。1頭当たりの平均額は22万975AUSドル(約1,988万7,750円)であり、中央値は16万AUSドル(約1,440万円)であった。2009年の同セールでは372頭が購買された。
3日目に購買された馬の中で最も高額であったのは、ザビール(Zabeel)の牝馬であり、その価格は130万AUSドル(約1億1,700万円)であった。レイクビュー・リソーシズ社(Lakeview Resources)が、リッチヒルサラブレッズ(Rich Hill Thoroughbreds)から同馬を購買した。
出走経験のないジンプレイヤー[Gin Player 父ディフェンシヴプレイ(Defensive Play)]を母とする鹿毛の牝馬は、2008年のアーバンパシフィック南オーストラリアダービー(Aus-1)とシュウェップスオークス(Aus-1)の勝馬ザリタ[Zarita 父ペンタイア(Pentire)]の半妹である。同馬はまた、ニュージーランドのG2勝馬ランライクザウィンド[Run Like The Wind 父ピンス(Pins)]および香港G3勝馬でUAEのG3勝馬でもあるジョイアンドファン[Joy and Fun 父カレン(Cullen)]の半妹でもある。
1歳馬イースターセール最終日は70頭を売上げ、粗利益1,687万5,000AUSドル(約15億1,875万円)であった。1頭当たりの平均額は24万1,070AUSドル(約2,169万6,300円)であり、中央値は20万AUSドル(約1,800万円)であった。主取り率は24.7%であった。
今回のセールで最高額が付いた馬は、開幕日に187万5,000AUSドル(約1億6,875万円)で購買されたリダウツチョイス[Redoute’s Choice 父リグロウス(Regrowth)]である。
また4月8日には、1歳馬イースターセールのセッション2が開催された。76頭(昨年は79頭)が購買され、粗利益は592万4,000AUSドル(約5億3,316万円)で、1頭当たりの平均額は7万7,947AUSドル(約701万5,230円)であった。2009年と比較すれば、粗利益は14.1%、1頭当たりの平均額は18.6%上昇したが、中央値は同じであった。主取り率は前年比14.1%増の28.3%であった。
最高額の付いた馬は、24万AUSドル(約2,160万円)で購買されたファーストネットロック[Fastnet Rock 父マーガリン(Margarine)]であった。イングリス社は、G・ライアン(G. Ryan)氏がヤラマンパークスタッド(Yarraman Park Stud)からこの馬を購買したと伝えている。
By Blood-Horse Staff
(1AUSドル=約90円)
[bloodhorse.com 2010年4月8日「Australian Easter Sale Suffers Setbacks」]