海外競馬ニュース 2010年02月18日 - No.7 - 3
フェアグラウンズ競馬場、夜間開催を有望視(アメリカ)[開催・運営]

 仮設の照明装置による夜間開催でチャーチルダウンズ競馬場が2009年夏に大成功を収めたことを受け、1月15日姉妹競馬場のニューオーリンズにあるフェアグラウンズ競馬場も夜間開催を施行した。初の試行的な夜間開催について、フェアグラウンズ競馬場の役員は、「もう少し上手く行うことができた可能性もあるものの、いくつかの肯定的な兆候がありました」と述べた。

 両競馬場を所有しているのはケンタッキー州ルイビルを拠点とするチャーチルダウンズ社(Churchill Downs Inc.: CDI)である。同社は2010年春開催に間に合うように、その看板競馬場であるチャーチルダウンズ競馬場に常設照明を設置することを表明していた。

 フェアグラウンズ競馬場は1月15日(金)、スターライト競馬開催(Starlight Racing:1月から3月にかけて3日間実施予定)の1日目を施行した。同競馬場は、客足を鈍らせる様な降雨ばかりでなく、近隣地区の停電により、第1競走の発走時刻を午後5時から6時に変更せざるを得なくなったにもかかわらず試行で得られた収穫に満足した。

 他のCDI所有の競馬場と同じ様に、フェアグラウンズ競馬場も馬券売上げと入場者数の情報を公表していない。同競馬場の通信・パリミューチュエル担当部長であるジム・マルヴィヒル(Jim Mulvihill)氏は、スターライト競馬開催の1日目の場内馬券売上げは2009年に同じ番組で行なった金曜午後開催と同程度であったと述べた。

 同氏は次のように語った。「このシーズンを全体的に見て、経済が低迷している中で2010年の開催1日が2009年の同日に匹敵し得る売上げということは、大成功を意味します。売上げは大事な要素ですが、それ以上に大事なことは、人々が目新しいことを求めて競馬場に来たことが分かったことです。私を最も安堵させ満足させた事は、私たちが狙いとしていた客層が集まったことです。彼らは素敵に着飾った20代30代の若い知的職業人でした。彼らは競馬場にやって来るだけではなく、馬券も買っていました。彼らは、主にビールを求めてやってくる様な常連客とは違っていました。私がここで見たことのなかった多くの人々が足を運んでくれました」。

 フェアグラウンズ競馬場のオースティン・ミラー(Austin Miller)場長は、メンバー専用クラブハウスとグランドスタンド横のテントをクラブ風の内装にした他、この新事業のための電子機器の購入に重点的に取り組んだと述べた。同競馬場の競走部長エリック・ハルストロム(Eric Halstrom)氏は2009年夏、3日間行われた夜間開催で平均2万9705人の入場者数を記録したチャーチルダウンズ競馬場の夜間開催がどのように行われているかを見るために視察に出かけていた。

 ミラー場長は、「ハルストロム氏が夜間開催に必要となるいくつかの概念を持ち帰り、私はそれにゲーミングとエンターテイメント産業で得た知識を付け加えました。観客は明らかに若い人たちで、彼らはまさに、私たちが従来とは違う顧客を競馬場に惹きつけるために狙っていた年齢層です」と語った。

 金曜夜に行なわれるあと2回の夜間開催は、2月19日と3月19日に予定されている。

 「私たち役員は、フェアグラウンズ競馬場の開催終了時にはサイマル映像料への影響も含む競馬ビジネスへの累積的影響の評価を行うでしょう」とミラー場長は付言した。

By Jeff Lowe
(1ドル=約100円)

[Thoroughbred Times 2010年1月30日「Fair Grounds sees promise under lights」]