海外競馬ニュース 2010年03月04日 - No.9 - 2
チャーチルダウンズ競馬場、ダービー枠順抽選を伝統的な方法に戻す(アメリカ)[開催・運営]

 チャーチルダウンズ競馬場は、ケンタッキーダービー(G1)の枠順抽選のテレビ露出が少なくなっていることから、1998年から採用されてきた2段階の枠順抽選プロセスを廃止しようとしている。

 これまで、出走馬はダービー前の水曜日に出馬投票され、出走馬の関係者たちは同日の昼食会において、抽選順を決めるための抽選と、出走枠順そのものを決める抽選の2段階の抽選を行ってきた。チャーチルダウンズ競馬場は、2010年から実際にダービーのゲート番号そのものを1回の抽選で選ぶ伝統的な形式に戻そうとしている。

 チャーチルダウンズ競馬場の広報担当ジョン・アッシャー(John Asher)氏は、1月22日に次のように語った。「2段階を経て枠順を決定するプロセスは、いくつかの劇的な瞬間を提供し、1時間に及ぶ全国テレビ放映の最大の呼び物としての役割を果たしてきました。全国ネットのテレビによって私たちは、新たな視聴者と共に伝統あるケンタッキーダービーの非常に重要な部分を分かち合うことができました。しかしこのたびチャーチルダウンズ競馬場は、年に1度のケンタッキーダービーの枠順抽選を伝統的な目隠し抽選“ピルプル(Pill Pull)形式”に戻すこととし、10年以上前に導入された2段階枠順抽選を廃止することを決定しました」。

 アッシャー氏は、近年、枠順抽選をテレビ放映することへの関心は減退しており、“少なくも現在のところ、もはや枠順抽選を全国ネットで放映することはない”と補足した。

 伝統的な抽選方法へ戻すことは、多忙なダービー週間の間に2回の抽選に立ち会わされるよりも1回で済む“ピルプル形式”を望む馬主や調教師には歓迎されるだろう。

 アッシャー氏は、ここ数年にわたり、一部の馬主と調教師の間では伝統的な目隠し抽選にもどすことを望む意見があったことを認めた。同氏は、「私たちは毎年の見直しを踏まえつつダービー運営のすべてについて評価し、ケンタッキーダービーの135年の歴史において長い間にわたって採用されていた“ピルプル形式”に戻すのに2010年が適切な時であると感じました」と述べた。

By Ron Mitchell

[The Blood-Horse 2010年1月30日「Churchill Returns to Traditional Draw for Derby Posts」]