マイケル・ジャービス(Michael Jarvis)調教師は、平地競走で最も長く活動し最も尊敬されている調教師の1人であるが、健康上の理由のため1日も早く引退しようとしている。
近年心臓の手術を受け、前立腺がんの治療を受けていた72歳のジャービス調教師は、ニューマーケットのクレムリンホースステーブルズの経営権をアシスタントのロジャー・ヴァリアン(Roger Varian)氏に譲ることを計画している。
ジャービス調教師は、凱旋門賞勝馬のキャロルハウス(Carroll House)、G1を複数回制したラクティ(Rakti)、クラシック競走勝馬である牝馬のアメラト(Ameerat)およびエスワラ(Eswarah)をはじめとする一連のトップクラスの競走馬を管理し、過去43年間にわたって輝かしいキャリアを謳歌した。
同調教師は2月22日、次のように語った。「私はまもなく調教師免許を手放すことになりますが、それまでに処理するべき事柄が沢山あります」。
「引退の理由は健康を害していることです。私はここのところあまり体調が良くなく、健康状態がこの2、3ヵ月の間に悪化しました。私は現場で細部まで指示して仕事をする性格ですが、今の状態では思いどおりに仕事をすることができないと感じます」。
ジャービス調教師の勝馬の多くに騎乗し、重要な役割を演じてきたフィリップ・ロビンソン(Philip Robinson)騎手は、同調教師に賛辞を送った。同騎手はインターネットのアットザレ−シズ社(At The Races)のサイト上で、「ジャービス調教師はこの数年病気にも非常にうまく対処し、困難な状況にも拘わらず素晴らしい仕事を成し遂げました」と語った。
そして次のように続けた。「同調教師は自身の周りに素晴らしいチームを築き上げ、そのことは彼にとって非常に有益でした。彼の調教師としての最大の強みは、管理馬をよく理解しているということです」。
「彼は各馬の特徴を自分でよく知った上で、馬の全能力を引き出していました。同調教師はどの馬も同じようには扱わず、それぞれの馬が何を必要としているかを察知する天才でした」。
またヴァリアン氏について次のように付け足した。「ヴァリアン氏はトップクラスの調教助手であり、10年間ジャービス調教師のアシスタントを務めました。この間にジャービス調教師が彼に教えたことは、かけがえのないものです。彼は勉強家であり、これは素晴らしいチャンスです」。
50歳のロビンソン騎手は、自身の将来について選択肢を検討している。同騎手は次のように付言した。「ジャービス調教師の引退はやや突然決まりましたが、体調が長い間優れなかったことを知っており、この日がいずれやってくることは分かっていました」。
「私は、ヴァリアン氏の活躍を祈っていますが、私自身の将来についてはよくわかりません。急いで決定を下したくはありませんので、もう1日さまざまなことについてよく考えるつもりです」。
By Graham Green
[Racing Post 2011年2月22日「Michael Jarvis decides to retire from training ranks」]