海外競馬ニュース 2011年01月13日 - No.2 - 3
賭事担当大臣、賦課金制度問題だけの 早期打開はないと警告(イギリス)[開催・運営]

 賭事を担当するジョン・ペンローズ(John Penrose)観光・文化遺産大臣は12月1日、大幅な構造改革を行うために基本法が必要とされるのであれば、競馬界の賦課金からの収入減少に対して一時しのぎの措置を取ることはないだろうと警告した。

 ペンローズ大臣の妻ディドー・ハーディング(Dido Harding)氏がジョッキークラブのメンバーであり、利害が抵触する可能性があるので、ペンローズ大臣は2011年度賦課金計画の政府決定に直接関与することはできなかったが、同大臣は賦課金の将来について注視してきた。

 同大臣は、「私は、賦課金制度のより根幹的な改革を検討するために取り組み続けます」と語った。

 しかし同大臣は、「どのような形の変更が合意されるかによって、提案されている案の中には明らかに基本法を必要とするものがあるでしょう。そして、連立政権という枠組みが多くの難題に直面していることを考えれば、そのこと自体による問題も引き起こされます」と述べつつ、改革のタイムフレームについての言及を避けるのに苦心していた。

 そして次のように続けた。「賦課金収入の不足に取り組むために立法措置をとることは、簡単なことではありません。多くの問題が議会審議を待って列をなしています。どのような提案書でも全政党と協議する必要があり、提案が固まったときには、必要な立法上の地位を確保するため閣議での同意が必要となります」。

 「言い逃れをするつもりはありませんが、私はこうした事柄が動いていく流れをよく心得ており、また前政権が競馬と賭事についての課題処理のタイミングでどれだけ混乱に陥ったか知っています」。

 「私は最近他の担当分野の1つにおいて、たまたま遺産保護法案(Heritage Protection Bill)の存在を知りました。この法案は、前政権により提出されましたが、何年間も放置されたままでした」。

 ペンローズ大臣は、賦課金制度が廃止されるべきかどうか尋ねられたとき、「それは、検討中の事柄の1つです。しかし、賦課金制度を廃止すると言うのであれば、より良い代案を示さなければならないでしょう。賭事客から馬主、また競馬場からブックメーカーにいたるまで、全員が賦課金制度は適切に機能していないと言います。その点では明らかなのですが、“代わりにどのような制度を導入するべきか”と言うと、意見の一致はなくなるのです」と語った。

 そして次のように続けた。「もし容易な解答があるならば、とっくの昔に見つけられていたでしょう。ともかく、多くの人々がこれまでに検討してきたのです。しかし、前回賦課金が徹底的に見直されたとき以来、さまざまな新しい状況が表面に浮かび上がりました」。

 「ベッティング・エクスチェンジの出現や競馬場の映像権料収入の増大のような事柄が、以前は必ずしも存在しなかった問題を投げかけました」。

 また、ペンローズ大臣は、課題処理を適切なタイミングで行うには賦課金制度を単独に取り上げるよりも賭事に関連する事柄を束ねることが有効かもしれないと示唆した。

 そして次のように付言した。「競馬と他の遠隔賭事事業は、海外賭事業者の問題を部分的に共有しています。それは消費者保護という要素も含んでいます」。

 「私は、海外賭事業についての協議の結果を検討しており、同時に賦課金制度をどのように扱うかという問題そのものも検討しています」。

 「もし基本法によって変更がなされるべき問題なのであれば、賭事のすべての面を一挙に処理することが道理に適っているのでしょう」。

By Howard Wright

[Racing Post 2010年12月2日「No quick levy solution likely warns minister」]