英国を拠点とするマーティン・コリンズ(Martin Collins)氏が開発し、世界中で輸出されているポリトラック馬場は、ポートエリザベスのフェアヴュー競馬場にある人工馬場およびヨハネスブルグにある国内最大のランジェスフォンテイン・トレーニングセンターの馬場に選定され、南アフリカにおいてもデビューを果たすことになる。
いずれの計画も、それらの競馬場を運営するフメレラ社(Phumelela)の理事会により決定された。同社の競馬担当理事であるパトリック・デーヴィス(Patrick Davis)氏は、英国のプランプトン競馬場のCEOであった時代にポリトラックについての知識を得ていたものであろう。
ランジェスフォンテイン・トレーニングセンターに幅5メートルで長さ2000 mの調教用馬場を敷設する工事は、5月に開始される。
フェアヴュー競馬場の工事についての詳細計画については、フメレラ社が全体計画の中でポートエリザベスにあるもう1つの競馬場のアーリントン競馬場を閉鎖する予定であるので、まだ決定されていない。
デーヴィス氏は次のように語った。「現在のところ2つの競馬場がポートエリザベートに割り当てられた70あまりの競馬開催を施行するよう要求されていますが、フェアヴュー競馬場にポリトラック人工馬場が敷設されれば1つの競馬場ですべてを施行することが可能となるでしょう」。
「このため私たちは、イーストケープ州賭事委員会(East Cape Gambling Board)に対して、1つの市に2つの競馬場を要求する規則を廃止するよう求めました」。
デーヴィス氏は次のように付言した。「1つの競馬場で全開催を行うことは運営費を大幅に削減させ、人工馬場によって雨のために開催が中止されることが事実上なくなり、その結果賭事売上と州政府への税収入を増加させることとなります」。
「ポートエリザベスのほとんどすべての馬はフェアヴュー競馬場に入厩しているため、アーリントン競馬場を閉鎖することで2場間で馬を輸送する必要がなくなり、このことは馬主の資金を節約し、道路がすり減ることやと二酸化炭素の発生を減らします」。
デーヴィス氏は、フメレラ社が芝や砂の馬場ほど散水を必要としないポリトラック馬場を代替馬場として検討したときに環境問題は重要な事柄であったと説明した。
同氏は次のように語った。「これはよく干ばつになるイースタンケープ州においては非常に重要な事柄です。人工馬場は気温が35度を超えた時に冷やすためだけに散水を行えばよく、このことはポートエリザベスではほとんど考えられないことでした」。
その他の環境問題も、フェアヴュー競馬場の工事計画作成の際に考慮に入れられた。その中には内馬場に人工の湿地帯を敷設することの影響を調査するための動稙物学者への委託も含まれていた。
コリンズ氏は、英国の4つの人工馬場のうちの3つを占め、デルマー競馬場からダンダーク競馬場、フランスからシンガポールに至るまで世界各地で利用されているポリトラック馬場についての調査活動と敷設後テストは、数年にわたって行われたと説明した。
同氏は、「リングフィールド競馬場への敷設の後、ポリトラック馬場がその地域の流水に及ぼしうる影響を評価するため広範囲のモニタリングが実施されました」と語った。
そして次のように付言した。「ポリトラック馬場、その下のタールマカダム(砕石とタールの混合物)層、石炭石灰岩の排水層、そして大規模な排水システムを通じて濾過されて地下水に入る水についてのテストは、1年間にわたって実施されました」。
「結果は、ポリトラック馬場はその地区の地下水の質に決定的な影響は与えず、したがって測定された環境への影響はごくわずかであったことを示しました」。
[Racing Post 2011年4月17日「Best laid plans as South Africa is latest to side with Polytrack」]