ワーナムブールカーニバル開催においてグランドアニュアル障害のレース中に馬が高い塀を越えて50人ほどの観衆の中に飛び込んだために、7人が病院に運ばれた。
5月5日、空馬となったバンナストランド(Banna Strand)は走路から外れ、2メートルの高さのある竹柵の塀を飛越して走路の外側にいた群衆の中に飛び込んだ。
2歳の少女が鎖骨を骨折し、ワーナムブール病院に搬送された。
80歳の女性は肩と臀部のX線検査を受けており、12歳の少女は足のX線検査が必要となっている。
7人中4人はすでに退院している。
騎乗馬ヴィンディケーティング(Vindicating)から落馬したゲイヴィン・ベジグッド(Gavin Bedggood)騎手は、バンナストランドが塀に向かって走っていると観衆に警告するために大声で叫んでいた、と事故を目撃したゲアリー・ワイルド(Gary Wild)氏は語った。
そして、「観衆は、塀が高かったためにバンナストランドが走って来るのは見えなかったでしょう。同馬は一直線に塀を越えて観衆に向かって行きました。人々はあちこち逃げまどい、叫び声が聞こえ、馬は観衆の中に飛び込んでいました」と述べた。
レーシングヴィクトリア社(Racing Victoria Ltd.: RVL)は、ワーナムブール・レーシングクラブ(Warrnambool Racing Club)と連携してこの事件を調査することになる。
RVLのCEOロブ・ハインズ(Rob Hines)氏は声明の中で、「私たちは、今回の考えられないような事故により負傷された方々の健康状態を何よりも心配しています。常駐の救急車と救急医療隊員がすぐに応急措置を行い、さらに治療を要する人をワーナムブールベース病院に搬送しました」と述べた。
デニス・ナプシン(Denis Napthine)競馬担当大臣は、観客の安全性は最も重要な事柄であると語った。
そして声明において、「RVLに対して、現行の安全策についての報告と観客の安全を改善するための提案を提出するように要求しました」と述べた。
なお、バンナストランドは、33個の固定障害がある5,500mの長距離コースを完走できなかった6頭のうちの1頭であった。
人気薄のジャッジメントジャスティファイド(Judgment Justified)は最初の1周目の飛越で転倒し、その影響を受けバンナストランドのローワン・ウェイマス(Rowan Waymouth)騎手が落馬したもの。
バンナストランドの同厩馬であるペトシュキ(Petushki)とプラムタスティック(Plumtastic)も転倒し、またヴィンディケーティング(Vindicating)とザメンバー(The Member)も空馬となった。最終的にプラムタスティックは、あと2つの障害を飛越すればレースに優勝できるところであった。
このレースで転倒した馬も落馬した騎手も負傷することはなかった。
完走した馬は、アウェイキングドリーム(Awaking Dream)と同馬を打ち負かしてグランドアニュアルを連勝したアルガーフッド(Al Garhood)である。
今年のワーナムブールカーニバルは、初日(5月3日)の最初のハードルレースで1頭が転倒して予後不良になり幸先の悪いスタート切った。そしてこのことが動物愛護運動家たちからの障害競走中止の要求を再発させた。
By Mark Ryan/AAP Racing
[Racing Post 2011年5月5日「Racegoers injured as horse jumps into crowd」]