BHA(英国競馬統轄機構)は、4月のグランドナショナルの事故の後の競馬界を巻き込む騒動をきっかけとして行われている鞭使用の見直し検討に、トニー・マッコイ(Tony McCoy)騎手が熱心に参加していることを歓迎した。
最優秀障害騎手に16回輝いたマッコイ騎手は、競馬を批判する者たちをなだめるのに役立つのであれば、最後の障害を飛越した後に鞭を打つことを禁ずることとするルール変更に反対するつもりはないと述べた。だが同騎手は、鞭使用の制限はハロン棒以外はっきりとした目印のない平地競走では問題が生じるだろうと認めた。
マッコイ騎手はアラステア・ダウン(Alastair Down)氏に、「私は、もし最後の障害飛越の後の鞭使用を禁じられたとしてもこの世の終わりだとは思いません。そのことで競馬はクリ−ンになり、論議の余地はなくなるでしょう」と語った。
英国一の動物愛護団体である王立動物虐待防止協会(Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals:RSPCA)も、広く知られている馬コンサルタントのデヴィッド・マー(David Muir)氏とともにこの検討に参加し、逆鞭は最も強い力を与えてしまうとして、騎手が逆鞭を用いることの禁止を要求した。
BHAの競馬開催運営・規制担当理事であるジェイミー・スティア(Jamie Stier)氏は5月16日、両氏の意見の利点については直接コメントしなかったが、どちらの意見も見直し検討の一環として詳しく検討されるだろうと述べた。
スティア氏は、「私たちがどちらの道を進むかについては現時点で表明いたしませんが、どちらの意見も他の多くの考え方とともに検討の対象となります。決定を下すに当たり、私たちが適切な基準と確信するものに照らし合わせて、それらすべての考え方を判定するでしょう」と語った。
そして次のように付言した。「人々が偏見なしにこの問題に熱心に取り組んでいることは心強いことであり、私たちの見直し検討の一環として騎手のうち特にトニー・マッコイ騎手の意見を参考とするつもりです」。
By Graham Green
[Racing Post 2011年5月17日「McCoy offers proposal to change whip rules」]