10月に施行される凱旋門賞(G1)は近年3歳馬に有利となっているが、このことに変化が起こるかもしれない。
この8年間において3歳馬の勝利を阻止したのはディラントーマス(Dylan Thomas)だけであるが、今シーズンは、ソーユーシンク(So You Think)、プラントゥール(Planteur)、ワークフォース(Workforce)、リワイルディング(Rewilding)などのトップクラス牡馬とスター牝馬サラフィナ(Sarafina)を含む現役古馬勢が勢ぞろいしている。
これらの中でサラフィナが最も面白い存在だと思われる。昨年の凱旋門賞で不利を受け3着となったというのは非常に控えめな表現である。
同馬は最後の直線に入った際に馬群の最後方におかれてしまった。しかし2馬身3/4差で3着に入線したことは、キャリア5戦の牝馬としてはまったく勇敢な頑張りであった。
不利なしに同馬がどのような走りをしたかは全くの推測にすぎないが、きわどい勝ち負けになっただろうと仮定してもおかしくはない。
昨シーズン、アラン・ド・ロワイエ-デュプレ(Alain de Royer-Dupre)調教師が管理するフランスオークス(ディアヌ賞)勝馬のサラフィナにとって2400m は長すぎるのでないかという懸念があり、実際に、凱旋門賞のステップレースであるヴェルメイユ賞(G1 2400m)ではミッデイ(Midday)の3着であった。
しかし、ビッグレースにおける彼女の最後の追込みはそれらの疑念を晴らすには十分であり、1年経った今年、2400mは彼女にとってベストの距離であるだろうと言いたい。
彼女の直近の勝利である5月23日のコリダ賞(G2)での優勝は素晴らしいものであり、これがたった7戦目であったことを考慮すれば、これ以上のことを期待する十分な理由となる。
すでに凱旋門賞が今シーズンの目標であることは表明されており、体調が良好である限りこのビッグレースを見送ることはまずないだろう。
それゆえ、この早い段階で12-1(13倍)のオッズが付いたサラフィナの単複馬券を買うことは出走馬掲示前の見方としては比較的リスクの少ないものである。
現在ワークフォースが文句なしの1番人気であるが、サラフィナの関係者は再び同馬と対戦することに動じていない。
豪州から移籍してきたスーパースターのソーユーシンク(So You Think)が2番人気であるが、同馬の幅広い距離適性を考えると、どのような臨戦過程でいくのか誰にもわからない。一方プラントゥール(Planteur)は2000mでより高い能力を発揮するように思われる。
By Nick Watts
[Racing Post 2011年5月26日「Sarafina can put matters right in Arc」]