12月14日にBHA(英国競馬統轄機構)のCEOの職を去ることを発表し競馬界を驚かせたニック・カワード(Nic Coward)氏は、新しい事務総長としてサッカーのプレミアリーグの世界に加わる。
44歳のカワード氏は、2011年春に自身のスポーツ界での役割を切り替えることになる。
彼の新しい任務のひとつとしては、過去2〜3年にわたってプレミアリーグが論争をおこなってきたサッカー協会(Football Association:FA)、欧州サッカー連盟(UEFA)、国際サッカー連盟(FIFA)との関係を円滑にすることが挙げられる。
同氏は、2006年に競馬統轄機関に入る以前は、FAの業務・法務担当部長を務めていた。そして同氏の競馬界における当初の目標は、英国競馬公社(British Horseracing Board: BHB)と競馬監理機構(Horseracing Regulatory Authority: HRA)を統合させて新しいBHAを誕生させることであった。
プレミアリーグの現在の事務総長であるマイク・フォスター(Mike Foster)氏は、新しい役割に就くだろう。
プレミアリーグのCEOであるリチャード・スクダモア(Richard Scudamore)氏は、「私たちは、ニック・カワード氏のような手腕をもつ人をプレミアリーグの上席経営チームの重要な役職に採用することができて、本当に喜んでいます」と述べた。
スクダモア氏は次のように続けた。「7年間FAで法律、規則、経営に関連する要職を務めたのち4年間BHAを運営してきたことで積んだ豊富な経験によって、同氏はプレミアリーグにとって非常に有用な人材になるでしょう」。
「カワード氏は、私が一緒にここで働くことが幸運であると実感している素晴らしいチームの一員になります」。
一方ポール・ロイ(Paul Roy)会長は、12月14日夜にカワード氏がBHAを退職することを発表し、「カワード氏は、BHAと競馬が著しく変化する時期に非常に素晴らしい仕事を成し遂げました」と述べた。
同氏は次のように続けた。「私たちが大きく発展させたものの引き続き取り組んでいかなければならない、競馬界に還元される賦課金の制度の改革、トート社の将来、および競馬変革プロジェクト(Racing for Change)を通じた競馬運営の近代化などの問題に、対処していくためのプランとチームの準備は整っています」。
「カワード氏は、競馬とBHAが次の段階の発展をスタートさせる時期として来春が好機であると感じたのでしょう」。
By Racing Post staff
[Racing Post 2010年12月15日「Nic Coward confirms Premier League switch」]