目抜き通りに店舗を構えるブックメーカーは、相当な利益が得られるタブレットやスマートフォンのようなモバイル機器を通じた賭事が急増しているにも拘わらず、顧客が直接賭事を行うことのできる場所としてベッティングショップは存続できると信じている。
2011年1月にアイフォン(iPhone)、アイパッド(iPad)およびアンドロイド(Android)に賭事アプリケーションが導入されて以来、モバイル利用者が5万人から12万人に増加したことをパディパワー社(Paddy Power)は確認している。なお、2010年1月におけるモバイル利用者は1万人であった。
顧客の内34%はこれらの機器を通じて賭事を行っているが、パディパワー社もウィリアムヒル社(William Hill)も、モバイル機器はベッティングショップを訪れることの代替手段というよりも追加的な手段として使われていると考えている。
ブックメーカーは、競馬場と場内ブックメーカーが現代技術の急速な進化にどのように対応しているかについて調査した6月30日付のレーシングポスト紙の特別報告においては、次のように返答している。
パディパワー社は、「電話投票賭事が出現したときには、皆がベッティングショップの終焉を告げるものであると言いました。インターネット賭事が出現したときも同じでした。そして現在、賭事産業において従来のやり方を一変させているのはスマートフォンによる賭事です」と語った。
そして次のように続けた。「モバイル機器を利用した賭事が大きな成長を遂げていることは事実ですが、同時にベッティングショップの数もとりわけ英国においてはかなり急速に拡大しています」。
「これらは連動していると私は考えています。モバイル機器の利便性は消費者のニーズに応えるでしょうが、多くの人々は現金を手にすることが好きであり、その雰囲気を気に入っているためベッティングショップに行くのです。ベッティングショップに行くこと自体に多くの理由があり、モバイル機器を手に入れたからといって行かなくなることはないでしょう」。
「私たちは新技術においても、また伝統的な賭事手段においても積極的に成長し続けるつもりです。新技術はベッティングショップにも影響を及ぼし、今や以前よりも多くの種類の馬券を提供しています」。
ウィリアムヒル社のインターネットPR担当部長であるトニー・ケニー(Tony Kenny)氏は次のように語った。「私たちは調査を行い、インターネットで賭事を行う顧客の約50%がベッティングショップでも賭事を行っていることを確認しました。人々が必ずしもベッティングショップや競馬場から遠ざかっているとは思っていません。新規顧客および異なる層の賭事客を惹きつけるための技術を推し進めています」。
「モバイル機器を通じての賭事は、前年比で800%増加し、これは弊社のインターネット賭事売上げの5%を占めています。今後2〜3年はさらに増加するでしょう。ブックメーカーは皆、業務上のさまざまな開発において優位を維持するための技術競争を行っているのです」。
By Jon Lees
[Racing Post 2011年7月1日「Shops have role to play in mobile age-layers」]