主要競走が土曜日に重なり合い過ぎていることについての調教師たちの懸念は、ホースメングループ(Horsemen’s Group)の新たに設置された競走施行計画委員会によって検討される予定であるが、その変更はすぐにではなく段階的になるだろう。
平地競走の一流調教師であるリチャード・ハノン(Richard Hannon)調教師、マーク・ジョンストン(Mark Johnston)調教師およびリチャード・フェイヒー(Richard Fahey)調教師らは、アスコット競馬場、チェスター競馬場、ニューマーケット競馬場およびヨーク競馬場の午後開催に加え、ハミルトン競馬場およびソールズベリー競馬場の薄暮開催が同時に行われた土曜日に、出走および騎乗者確保の計画を立てる際経験した問題に懸念を表明した。
ホースメングループのCEOアラン・モルコム(Alan Morcombe)氏は、「このことは必ず議題となるでしょう。競走施行計画委員会は、競走の配置と開催日程が対立するものと見ています。英国の現役馬の数は減少しており、現在のように土曜日に開催日程が重なり合うのであれば、レースあたりの頭数がかなり少なくなってしまいます」と語った。
同氏は次のように続けた。「1日に詰め込むとしても限度があるでしょう。また私たちは質の良い競馬開催日程が偏らずに配置されているかどうかについても目配りをしなければなりません」。
「これは革命と呼べるような急激な変化ではなく漸進的な変化になるでしょう。私たちは適正なバランスを取るように努めています。人々が“良いレースが重なり合いすぎている”と感じる奇妙な週末あるいは一日ができてしまうかもしれません。良い面もありますが、いつも良いレースの日ばかりというわけにはいきません。私たちは一流レースがバランス良く配置されるよう努めなければなりません」。
ハノン調教師はアスコット競馬場に行き、その後夕方にソールズベリー競馬場に足を運んだ。一方で息子のリチャードJr.氏は、ニューマーケット競馬場で同調教師の出走馬を管理した。
ハノン調教師は、「私は大変疲れて帰宅しました。昨晩ベッドに入ったときにはほっとしました。朝の5時からの活動はきついです。開催日程をよく見てみると、すべてが週末に集まっていることに気付くでしょう」と語った。
そして次のように続けた。「この傾向は私たちに非常に苦しい仕事をさせており、そのことは疑いようがありません。多くの馬房、多くの厩舎長、競馬に行く多くの人々が必要となるだけです」。
7月9日(土)の主要レースの重なりジュライカップ(G1)が10日の日曜日にずらされていれば避けることができたとウィリアム・ハッガス(William Haggas)調教師とラルフ・ベケット(Ralph Beckett)調教師も指摘している。
ベケット調教師は、「私たちは皆、土曜日に競馬を開催したい理由を理解していますが、いくらかのバランスが必要です。昨日(7月9日)のような日程は誰の利益にもなりませんでした。ニューマーケット競馬場が今日(日曜日)の開催だったとしても昨日(土曜日)より入場者数が減ったとは思いません」と語った。
ヨーク競馬場でジョンスミスカップを優勝したハッガス調教師は、「私はニューマーケット競馬場こそがこんな日程を生むきっかけを作ったと考えているので、騒ぎが収まったときに、ニューマーケット競馬場の経営担当理事であるスティーヴン・ウォリス(Stephen Wallis)が何を考えているのか確かめるために書簡を送るつもりです」と語った。
同調教師は次のように続けた。「大きな競馬場にとってはこの傾向が望むところなので、この傾向はますます強まっていくでしょう。私はこの傾向はヨーク競馬場の輝きを失わせると考えています」。
「しかし私たちは皆、競馬場が採算をとれて、できる限り大きなレースを開催することを望んでいます。競馬場は自身が行っていることをおそらく分かっています。それはやってみる価値のある賭けなのでしょうか?ニューマーケット競馬場はこの件について決断を下さなければならないでしょう」。
By Jon Lees
[Racing Post 2011年7月11日「Horsemen’s Group to look into big-race fixture clashes]