11月に開催されるメルボルンカップ(G1)への欧州馬の挑戦は7月28日、オーストラリア検疫検査局(Australian Quarantine and Inspection Services: AQIS)の職員が最終的にニューマーケットのサイドヒル牧場を適切な検疫施設として承認したことで、一部は軌道に戻った模様だ。一方、ソーユーシンク(So You Think)が所属しているバリードイル厩舎(Ballydoyle)については、承認されるまでには更なる話し合いが必要とされている。
AQISがニューマーケットのサイドヒル牧場を遠征前の検疫施設として承認したニュースは、2010年メルボルンカップ優勝馬アメリケイン(Americain)を管理するアラン・ド・ロワイエ=デュプレ(Alain de Royer-Dupre)調教師により歓迎された。
2010年にサイドヒル牧場を検疫施設として使用したロワイエ=デュプレ調教師は、「私たちが昨年と同じ検疫施設を使うことができることは朗報です。アメリケインには帯同馬としてシャマノヴァ(Shamanova)がつくでしょう。シャマノヴァはポモーヌ賞(G2 8月14日)に向けて調整を行っているところであり、アメリケインはケルゴルレイ賞(G2 8月18日)に向かう予定です」と語った[訳注:シャマノヴァはポモーヌ賞で3着に入線し、アメリケインはケルゴルレイ賞で10着となった]。
バリードイル厩舎の承認は未解決であるが、AQISの職員が“前向きな話し合い”を続けている。
メルボルンカップを開催するヴィクトリアレーシング社(Racing Victoria Ltd.)のCEOロブ・ハインズ(Rob Hines)氏は、「私たちは、AQISがニューマーケットのサイドヒル牧場を検疫施設として承認したことで、欧州の調教師が要件に適った検疫施設が存在していることに安心し、今年のスプリングカーニバルのために遠征準備を続けられることに満足しています」と語った。
そして次のように付言した。「私たちはアイルランドのバリードイル厩舎における輸出前検疫施設に関してAQISと前向きな話し合いを続けており、馬によっては、ソーユーシンク(So You Think)のようなクールモア牧場の所有馬がバリードイル厩舎経由で故郷のオーストラリアに戻って出走することができる解決策は見つかると信じています」。
By Scott Burton
[Racing Post 2011年7月29日「Aussie quarantine officials pass Newmarket base for Cup hopes」]