フランスのリーデイングトレーナー数人がこのルールを廃止するか修正するよう要求する中、スノーフェアリー(Snow Fairy)が8月21日のジャンロマネ賞(G1)への出走から除外させられることとなったルールは近い将来、フランスギャロ(France Galop)の役員によって見直されることになるだろう。
エド・ダンロップ(Ed Dunlop)調教師は8月18日夜、英オークス(G1)と愛オークス(G1)を優勝している管理馬スノーフェアリーが18日のヨークシャーオークス(G1)に出馬投票していたため21日のジャンロマネ賞(G1)に出走させることはできないと知らされ憤慨した。
ダンロップ調教師は17日の16時ごろに、ヨーク競馬場の馬場状態について報告を受け、スノーフェアリーのヨークシャーオークスへの出走を取り消していた。
フランスの競馬施行規程の130条は馬の二重出馬投票について規定しており、パリミューチュエル賭事が主流であるフランスにおいて、競馬の繁栄のカギとなる多くの売上げが得られる一流競走への最終段階での出走取消を防ぐために制定されている。
しかし、フランス国外の調教馬に対してこのルールが適用されることは稀であり、ダンロップ調教師はジャンロマネ賞への最終登録の24時間後に裁決委員の決定を伝えられていた。
その後、ダンロップ調教師が8月19日朝にレーシングポスト紙上で不満を述べたことにより、裁決委員がジャンロマネ賞の他の出走馬の関係者によってこのルールについて指摘されたことが明らかになった。
フランスギャロのある上級役員は8月21日にドーヴィル競馬場において匿名で次のように語った。「この出来事が生じて以来、このルールに関して多くの議論がなされ、責任者たちは近い将来このルールを見直すでしょう」。
数人のフランス人調教師と連絡を取ったが、その多くはこのルールに同意できないと述べていた、とダンロップ調教師は語っていた。
アンドレ・ファーブル(Andre Fabre)調教師は、ほぼ確実に1番人気となっていたであろうスノーフェアリー不在によって競走レベルが低下したジャンロマネ賞を勝ったが、アナウンス(Announce)の優勝後に、最大のライバルが出走するのを妨げたこのルールに対して異議を唱えた。
ファーブル調教師は、「私はこれをくだらないルールだと思っており、このようなルールは要らないと何度も口にしてきましたが、それでもやはり、それがルールである限り従わなければならないことは明らかです」と語った。
同調教師は、この出来事によりジャンロマネ賞の競争性が損われたことを認め、次のように付け足した。「このルールにはイライラさせられ、しばしば私たち全員は振り回されます。スポーツの観点からすると良いルールであるとは思えません」。
パスカル・バリー(Pascal Bary)調教師はこの考えに同意し、「スポーツの観点からすれば、私はこのルールは全く理解できません。そして、このルールが外国馬に適用されたのは初めてです」と語った。
フランス調教師協会(French Trainers Association)の会長であるクリケット・ヘッド=マーレク(Criquette Head-Maarek)調教師は、フランスギャロがこのルールを検討する意向を示したことを歓迎した。
そして、「私はこれまで欧州全体で同じルールが適用されるように要求してきました」と付言した。
By Desmond Stoneham
[Racing Post 2011年8月23日「France Galop to review declaration rule」]