北米のリステッド競走(準重賞)も、米国とカナダでグレード競走(重賞)のステータスを得るため実施されているプロセスと同様の査定を毎年受けることとなる。
これは、北米国際カタログ基準委員会(North American International Catalogue Standards Committee: NAICSC)が先日発表したものである。これまでは、7万5,000ドル(約675万円)以上の総賞金を提供し、馬齢や性別のほかに制限のないすべての特別競走が、国際サラブレッド競売人協会(Society of International Thoroughbred Auctioneers:SITA)が組織するセリのカタログでリステッド競走とされていた。
しかし今後は、毎年その質が検討され、査定に満たなかったレースはリステッド競走のステータスを失うことになる。
NAICSCのメンバーはリステッド競走がそのステータスに相応しいものにしたいと考えているとNAICSCのカール・ハミルトン(Carl Hamilton)会長は述べた。
同会長は、「NAICSCは常にリステッド競走の質と公正性の維持を望んでおり、格上げのための検討をしばしば行いますが、格下げのための検討も行うのが適切であると感じていました」と語った。
ハミルトン会長は、査定の要件はグレード競走と同じものとなるだろうと述べた。検討するに当たってNAICSCは、過去5年間についての統計データのほか、そのレースの出走馬がその他のブラックタイプ競走(訳注:セリ名簿の血統紹介欄に記載された馬名のうち、当該馬が国際カタログ基準に記載された国のグレード競走およびリステッド競走に、優勝または入着した実績を、太字その他の書体により識別・表示するための基準となる競走)で達成した成績、出走馬におけるグレード競走勝馬の割合、公式競走結果の最新版その他の要素を検討する。
2012年北米リステッド競走についての検討は、アメリカグレードステークス委員会(American Graded Stakes Committee)とカナダグレードステークス委員会(Canadian Graded Stakes Committee)の2012年会合から行われることになる。リステッド競走のタイトルを失った競走はSITAのカタログにおいては非リステッドのブラックタイプ競走として位置づけられることになる。
なお2012年は、サラブレッド馬主・生産者協会(Thoroughbred Owners and Breeders Association)が、NAICSCから要請され非リステッドのブラックタイプ競走の質を管理する手法の調査を行う。
By Frank Angst
(1ドル=約90円)
[Thoroughbred Times 2011年10月8日「Listed stakes short on quality could lose status」]