一流騎手は、これまで騎手がブックメーカーと商業契約を結ぶことを禁止していたルールをBHA(英国競馬統轄機構)が11月に緩和することから、新たな収入源を期待できることになる。
この方針の変更は、BHAが今年、ライアン・ムーア(Ryan Moore)騎手がベッティング・エクスチェンジと関係を持つことを懸念し、ベットフェア社(Betfair)にコラムを執筆することの不許可を決定したが、その後の検討を経てなされたものである。なお、これにより騎手と調教師のルールは一致することになる。
公正に関する行動規範の決定は馬主、調教師および騎手に広く関係することから、再検討の必要性があった。その過程で、騎手協会(Professional Jockeys’ Association: PJA)は騎手が調教師と同じように扱われるように強く要求した、とBHAの公正担当理事であるポール・スコットニー(Paul Scotney)氏は10月7日明らかにしていえる。
スコットニー氏は、「実際のところ調教師はそれまでもブックメーカーと一定期間の商業契約を結ぶことができましたので、PJAが呈した疑問は、“なぜ調教師はできるのに騎手はできないのか”というものでした」と語った。
そして次のように続けた。「何年も前にこれらのルールが導入されたときは理由がありましたが、その後状況は変化しました。今はルールの範囲内であれば、競馬関係者が何とかして生計のための収入を得ようとするのを認める必要があります」。
「PJAは、ルールの範囲内での商業契約締結が認められるべきかについての十分な理由を提示しました。そして私たちはそれを否定する理由を見出すことができませんでした」。
ベットフェア社のスポークスマンであるトニー・カルヴィン(Tony Calvin)氏は、「ブックメーカーを含む多くの媒体を通じて、今後騎手たちが大衆に見解を伝えることができるようになるので、このニュースは結構なことです」と語った。
そして次のように付言した。「この夏ムーア騎手にコラムを執筆してもらう計画が、BHAにより棚上げにされ、失望しました。しかし結果としては、賭事客だけではなく関係者全員がより多くの情報を得られるようになり、前向きなものとなりました」。
By Graham Green
(関連記事)海外競馬ニュース 2011年No.22「ムーア騎手が寄稿したベットフェア社のコラム、発表見合わせ(イギリス)」
[Racing Post 2011年10月8日「Rules on jockey deals with bookmakers to be relaxed」]