サラブレッド産業全体の関係者の団体は2月9日、サラブレッド・アフターケア同盟(Thoroughbred Aftercare Alliance: TAA)の設立を発表した。この組織は、競走生活を終えたサラブレッドのアフターケア施設の認定団体およびこれらの認定された施設を支援するための資金調達団体としての役割を果たす。
TAAは当初ブリーダーズカップ協会(Breeders’ Cup Ltd.: BCL)、ジョッキークラブおよびキーンランド協会(Keeneland Association)から資金提供され、馬主、調教師、生産者、競馬場、騎手、アフターケアの専門家およびその他の産業グループで構成される。
TAAの議長で馬主のジャック・ウルフ(Jack Wolf)氏は、「馬主、競馬場、生産者、調教師、騎手、セリのエージェントおよび競馬において利益を享受する誰もが競馬の根本要素である偉大な馬のアフターケアに責任があります。BCL、ジョッキークラブ、キーンランド協会およびその他の素晴らしい団体から支援と財源を確保していることは、私たちの取り組みの信頼性と重要性を物語っており、非常に評価されることです」と語った。
アデナスプリングス・ノース社(Adena Springs North)、カルマ社(CARMA)、ファシグ・ティプトン社(Fasig-Tipton)、騎手組合(Jockeys’ Guild)、ニューヨークホースメン協会(New York Thoroughbred Horsemen’s Association)、オカラブリーダーズセール社(Ocala Breeders’ Sales Co.)および米国サラブレッド・チャリティ(Thoroughbred Charities of America: TCA)がTAAに追加的資金提供を行っている。TAAはまた、TCA、サラブレッド馬主・生産者協会(Thoroughbred Owners and Breeders’ Association)、NTRA(全米サラブレッド競馬協会)からスタッフの援助を受け、NTRAは継続的にその支援を行うことになる。
TAAは運営、教育、馬管理、施設サービスおよび適用方針を定めた規則基準に準じてアフターケア施設を認定することとなる。同時に、TAAは認定された施設を代表して、資金調達や一般管理のための費用ではなくプログラム自体の費用に直接100%資金を充てる制度を通じて資金集めを行う。
BCLのCEOクレイグ・フレヴェル(Craig Fravel)氏は、「BCLは、TAAの設立時の資金提供者の1社になり、全米規模で引退サラブレッドの行き場所探しと第2のキャリアに向けた再調教に資金を投じる競馬産業全体の援助プログラムの目標のために支援できることを光栄に思います。競馬界の関係者の資金援助を通じて、私たちは馬がその人生を通じて品位ある方法で扱われることを確かにすることに役立つことができます」と語った。
ジョッキークラブの理事長でCOO(最高執行責任者)であるジェームズ・L・ギャグリアーノ(James L. Gagliano)氏は、「TAAへのジョッキークラブの関与と支援は、私たちがサラブレッドのアフターケアの分野において現在行っている他の取組みから自然に発展したものです。アフターケア施設のための認定と適切な資金援助は競走馬の福祉を大きく強化するでしょう。そして私たちは、この制度を援助するために競馬界のあらゆる分野の団体や個人に参加を促します」と語った。
キーンランド協会の理事長兼CEOであるニック・ニコルソン(Nick Nicholson)氏は、「サラブレッドのアフターケアは私たちすべての心に触れる事柄です。私たちはその一部を担うことを誇りに思っており、TAAの成功を継続させるために行っている取組みに誰もが誇りを持っていると思います」と語った。
TAAは今後数ヵ月でスタッフを揃え、最新情報を引き続き提供する予定であり、ケンタッキー州レキシントンに事務所を構える。
[thoroughbredtimes.com 2012年2月9日「Thoroughbred Aftercare Alliance launched」]