血統登録機関としてのジョッキークラブが新たに立ち上げるウェブサイト(http://www.jockeyclub.com/initiatives.asp)を通じて馬故障データベースの統計を公表することに12場以上の競馬場が同意したと、ジョッキークラブは3月5日に発表した。
ジョッキークラブの理事長でCOO(最高執行責任者)のジェームズ・L・ギャグリアーノ(James L. Gagliano)氏は、「馬故障データベースは、参加競馬場から収集3年目となるデータの編集を最近完了し、これには北米の競馬開催日の約93%と3万件以上の記録が含まれています。キーンランド競馬場、ウッドバイン競馬場およびカリフォルニア州の各競馬場は、故障および予後不良事故のデータを公表することにしました。この新しいウェブサイトは、他の競馬場に対しても同じようにデータを標準化し要約して公表するよう促すことを意図しています」と語った。
このウェブサイトはジョッキークラブによって管理される。特定の競馬場の予後不良事故の統計概要には、事故の発生年月日、競馬開催日数、当該馬の出走回数、年齢、性別、競走距離および事故が発生した馬場の種類が含まれている。
統計の公表に同意した競馬場には、NYRA(ニューヨーク競馬協会)に属するアケダクト、ベルモントパークおよびサラトガ競馬場と、ストロナックグループ(Stronach Group)が運営するサンタアニタ、ゴールデンゲート、ガルフストリームパーク、ローレルパークおよびポートランドメドウズ競馬場が含まれている。
他の参加競馬場には、デルマー、キーンランド、ロンスターパーク、レミントンパーク、ターフウェイパークおよびウッドバイン競馬場が含まれている。
チャーチルダウンズ社(Churchill Downs, Inc.)により運営されている競馬場、つまりチャーチルダウンズ、コールダー、フェアグラウンズおよびアーリントンパーク競馬場は、データ公表に同意した競馬場のリストには入っていない。
ストロナック・エンターテインメント・グループ(Stronach Entertainment Group)のCEOグレッグ・アヴィオリ(Greg Avioli)氏は、声明において次のように語った。「私たちは競馬場を人馬のいずれにとってもできる限り安全な競馬場にすることに専心しています。馬故障データベースの情報を共有することは、競馬場での馬の故障原因をより良く把握し将来の故障を減らすべく必要な措置をとるために競馬産業が行っている取組みにおいて、重要なステップです」。
NYRAの理事長でCEOであるチャールズ・ヘイワード(Charles Hayward)氏は、「NYRAは競馬場の馬場を適切に管理するために非常に多くの投資をしており、私たちの競馬場は全米において最も安全な馬場であると信じています。ジョッキークラブの馬故障データベースに私たちの統計を提供することを光栄に思います」と語った。
NTRA(全米サラブレッド競馬協会)の安全・公正に関する同盟(Safety and Integrity Alliance)のマイク・ジーグラー(Mike Ziegler)専務理事は、次のように語った。「私たちはこの重要な新しいウェブサイトに協力する競馬場を推奨しています。馬の故障に関するデータを収集すること、そしてそのデータを公表する方法に透明性を持たせることは非常に重要です」。
「馬故障データベースは2008年7月に、グレイソン-ジョッキークラブ研究基金(Grayson-Jockey Club Research Foundation)の第1回目の競走馬福祉・安全サミット(Welfare and Safety of the Racehorse Summit )の提案により立ち上げられた。馬故障データベースへの参加競馬場の完全リストは、ジョッキークラブのウェブサイト(http://www.jockeyclub.com/initiatives.asp?section=2)で閲覧できる。
By Blood-Horse Staff
(関連記事)海外競馬ニュース 2008年No.33「ジョッキークラブ、馬故障情報をデータベース化(アメリカ)」
[bloodhorse.com 2012年3月5日「Jockey Club Sets Up Injury Reporting Website」]