3月6日の正午近く、フランスギャロ(France Galop)のベルトラン・ベランギエ(Bertrand Bélinguier)会長は、「私たちは3月にこのシャンティイ競馬場に来る習慣はありませんでした」というユーモアある言葉で、人工馬場の竣工式の演説を始めた。440万ユーロ(約4億8,400万円)を費やしたポリトラック馬場はついに完成した。ベランギエ会長は、シャンティイの約3,000頭の現役馬が利用できるこの馬場の完成を喜んだ。
安定した競走
1周1,900 mで直線が550 mのこの人工馬場で施行された3月3日と3月6日の試乗レースで、マルセイユ-ヴィヴォーおよびカーニュ-シュル-メールの両競馬場の人工馬場も手掛けた施工業者はその完成具合に納得した。レースは安定して行われ、特に騎手があらゆる駆け引きを行うのが可能であることが証明された。極端な天候下でのレースや2つのコーナーを回るレース(3月23日から施行)の評価については未定だが、今やすべてが青信号である。ベランギエ会長は、「平地シーズンはこの新しい馬場で開幕します。私たちは今日、この馬場が技術的に大成功を収めたことを確認することができました。馬場全体がシャンティイの素晴らしい景色に同化しています」と語った。
平地競走の20%を人工馬場で施行
カーニュ、ヴィヴォー、ポルニシェ、ドーヴィル、リヨン-ラソワおよびポー競馬場に続いてフランスで人工馬場を敷設した7場目の競馬場となったシャンティイは、2012年の競馬開催日数は37日で、約300レースを施行する。ベランギエ会長は、この竣工式の挨拶で芝へのこだわりを持つ人々を安心させるよう次のように語った。「フランスにおける人工馬場のネットワークは広がりました。今年、約20%の平地競走が人工馬場で施行されます(4,800レース中950レース)。この数字は今後増え続けると考えられます」。いずれにしても、今後ロンシャン競馬場もまた人工馬場を導入するかどうかの決定がなされるので、シャンティイ競馬場がいくつかの代替開催を追加的に施行することも考えられる。
シャンティイの市長であるエリック・ヴォルト(Eric Wœrth)氏が語るように、シャンティイの改修は無事に達成され、この変身はとりわけ美的面において大成功した。同氏は、「人工馬場敷設は、1994年〜1995年にスタンドから始まってパドック、厩舎、馬道と続いたシャンティイ競馬場の一連の改修の総仕上げです。このような伝統を重んじる土地で、新しい人工馬場をシャンティイ競馬場に敷設する価値があると説得するのは簡単なことではありませんでしたが、私たちはついに実現しました。」と付言した。今後は他の競馬関係者と競馬ファンの意見を聞くことになる。
By Francis Fougeray
(1ユーロ=約110円)
[Paris Turf 2012年3月7日「La revolution Polytrack」]