海外競馬ニュース 2012年04月12日 - No.16 - 3
ニューヨークで引退サラブレッドに活躍先を斡旋する団体が結成(アメリカ)[その他]

 ニューヨークの3つの競馬団体は、引退したサラブレッド競走馬により多くの活躍機会を与えるためにタッグを組む。

 ニューヨークホースメン協会(New York Thoroughbred Horsemen’s Association:NYTHA)、NYRA(ニューヨーク競馬協会)およびニューヨークサラブレッド生産者協会(New York Thoroughbred Breeders: NYTB)は3月16日、引退馬の活躍先の選択肢を広げ、ホースショーの世界におけるサラブレッドの需要を拡大するテイク2(TAKE2)の設立を発表した。

 これらの団体は、テイク2のプログラムの一環として、2012年に開催されるスキッドモア大学サラトガ・クラシック・ホースショー(Skidmore College Saratoga Classic Horse Show)とサラトガスプリングス・ホースショー(Saratoga Springs Horse Show)におけるサラブレッド限定のハンター競技とジャンパー競技の共同スポンサーとなる。今春サラトガ競馬場ではAAクラスに認定されているホースショーが行われる予定である。

 ニュージャージー州のホースマンも同一歩調を取り、5月に行わるAAクラスのガーデン・ステート・ホースショー(Garden State Horse Show)においてサラブレッド限定部門のスポンサーを務める。

 ホースショーの世界にサラブレッドの需要を促進することは、競走生活を終えたサラブレッドの価値を高めるテイク2のキャンペーンの一環である。さらに、NYTHA、NYRAおよびNYTBは、NYRAの競馬場から引退した馬のうち年間100頭を受け入れるサラブレッド引退馬基金(Thoroughbred Retirement Foundation)の新しい取組みへの資金提供に署名した。

 NYRHAとNYRAは、これらの取り組みへ提供した資金は合計25万ドル(約2,000万円)を上回ると述べた。

 NYTHAのリック・ヴァイオレット(Rick Violette Jr.)理事長は、「競走生活中においても引退後においても、競走馬の福祉は、NYRAの競馬場で競い合った馬主および調教師にとって最も重要な問題の1つです。NYTHAとNYRAは長年にわたりサラブレッド引退馬基金のような団体に財政的支援をしてきましたが、私たちは現在その計画を拡大しようとしています」と語った。

 そして、「私たちは引退馬に異なる分野で新しい職業を見つける機会を与えたいと考えています。これは私たちの“雇用創出計画”です。サラブレッドはやるべき仕事があるときには、より健康で幸せです」と付言した。

 NYRAの理事長兼CEOのチャールズ・ヘイワード(Charles Hayward)氏は、「この計画によって、競馬産業とホースショーにおけるホースマンが、サラブレッドには競走引退後に長く幸福な生活を送れる十分な可能性があることを実感できるようになることを望んでいます」と述べた。

 NYTBのCEOジェフリー・カニゾ(Jeffrey Cannizzo)氏は、「20年前にはサラブレッドはもっとハンターやジャンパー競技の世界で用いられていました。テイク2の取り組みにおける動機は、時計を逆戻りさせてニューヨーク州のホースショーにおけるサラブレッドの新たな需要を作り出す一助とすることです」と語った。

 サラトガスプリングス・ホースショーIは5月2日〜6日に、ホースショーIIは5月9日〜13日に予定されている。またスキッドモア大学サラトガ・クラシックIは6月12日〜17日に、クラシックIIは6月20日〜24日に予定されている。

 ガーデン・ステート・ホースショーは、5月2日〜6日にニュージャージー州オーガスタのサセックス郡フェアグラウンズで開催される予定である。

 なお、 テイク2に関連するイベントへの参加資格を得るには、エントリー時に血統書の提示を要求されるため、サラブレッドはジョッキークラブによる登録を受けていなければならない。

By Blood-Horse Staff
(1ドル=約80円)

[bloodhorse.com 2012年3月16日「NY Groups Team to Aid Retired Thoroughbreds」]