ブリーダーズカップ協会(Breeders' Cup Ltd.: BCL)は3月22日、勝てば自動的にブリーダーズカップへの出走権が与えられるBCチャレンジシリーズが今年は73レースに拡大されると発表した。
今年の同シリーズは10ヵ国にまで拡大され、G1競走52レースを含み、新たに13レースが加えられることを目玉にしている。BCLはBCチャレンジ勝馬の関係者にブリーダーズカップの出走登録料と馬の輸送費を提供する。
BCチャレンジシリーズの全体のスケジュールは以下で閲覧することができる。
https://members.breederscup.com/challenge/schedule.aspx.
第29回ブリーダーズカップは2012年11月2日と3日にサンタアニタ競馬場で開催され、NBCスポーツネットワークでライブ中継される。BCクラシック(G1)は11月3日の東部時間午後8時〜9時にNBCでライブ中継される。
拡大されたBCチャレンジシリーズは今年で6年目となり、米国、カナダ、アルゼンチン、オーストラリア、英国、フランス、ドイツ、アイルランド、日本および南アフリカの多くの主要競馬場で開催される。今年の同シリーズは、まず1月に南アフリカで始まり、ケープタウンのケニルワース競馬場で4歳のギミザグリーンライト(Gimmethegreenlight)がクイーンズプレート(G1)を制してBCマイル(芝G1)の出走権を得た。北米で最初に開催される同シリーズのレースは、5月28日にベルモントパーク競馬場で開催されるメトロポリタンH(G1)で、勝馬はBCダートマイル(G1)の出走権を得ることになる。
今年のBCチャレンジシリーズの要点は以下のとおりである。
・2011年に採用されたBCチャレンジ勝馬の優遇策の一環として、BCLは引き続きブリーダーズカップに出走するBCチャレンジ勝馬全頭に出走登録料を支給し、北米外からの出走馬関係者には2万ドル(約160万円)、北米内の出走馬関係者には1万ドル(約80万円)の馬輸送費を提供する。これらの優遇を受けるために、BCチャレンジの勝馬関係者は10月22日(仮登録締切日)までに、ブリーダーズカップへの出走を申し込まなければならない。
なお、昨年は35頭のBCチャレンジ勝馬がブリーダーズカップに出走している。
・2012年のBCチャレンジシリーズに追加された13レースは以下のとおりである。
競走日 | 国 | 競馬場 | レース名 | BC該当レース |
1月7日 | 南アフリカ | ケニルワース | クイーンズプレート(G1) | BCマイル |
5月25日 | アルゼンチン | サンイシドロ | 5月25日大賞(G1) | BCターフ |
6月16日 | 米国 | チャーチルダウンズ | スティーブンフォスターH(G1) | BCクラシック |
8月26日 | 米国 | サラトガ | パーソナルエンサインS(G1) | BCレディースクラシック |
9月2日 | ドイツ | バーデンバーデン | バーデン大賞(G1) | BCターフ |
9月22日 | 米国 | ベルモントパーク | ギャラントブルームH(G2) | BCフィリー&メアスプリント |
9月29日 | 英国 | ニューマーケット | ロイヤルロッジS(G2) | BCジュヴェナイルターフ |
9月30日 | アイルランド | カラ | ベレスフォードS(G2) | BCジュヴェナイルターフ |
10月7日 | 米国 | ベルモントパーク | ピルグリムS(芝G3) | BCジュヴェナイルターフ |
10月7日 | 米国 | ベルモントパーク | ミスグリロS(芝G3 ) | BCジュヴェナイルフィリーズターフ |
10月7日 | 米国 | キーンランド | バーボンS(芝G3) | BCジュヴェナイルターフ |
10月7日 | フランス | ロンシャン | フォレ賞(G1) | BCマイル |
10月13日 | 英国 | ニューマーケット | ミドルパークS (G1) | BCジュヴェナイルスプリント |
10月13日 | 英国 | ニューマーケット | ミドルパークS (G1) | BCジュヴェナイルスプリント |
・総賞金500万ドル(約4億円)のBCクラシック(G1)の出走権を得られる競走は次の6レースで、いずれもG1競走である。(1) 6月16日のハリウッドパーク競馬場のスティーブンフォスターH、(2) 7月7日のハリウッドパーク競馬場のハリウッドゴールドカップ、(3) 8月4日サラトガ競馬場のホイットニーH、(4) 8月26日のデルマー競馬場のパシフィッククラシック、(5) 9月29日のベルモントパーク競馬場のジョッキークラブゴールドカップ、(6) サンタアニタパーク競馬場のグッドウッドH。
・BCLは昨年に引き続き今年も、BCチャレンジ勝馬が産駒登録を済ませていない場合は、その登録料として1万ドル(約80万円)を支給する。
BCLの理事長兼CEOであるクレイグ・フレヴェル(Craig Fravel)氏は、「BCチャレンジシリーズの対象国を拡大しレースの質を上げることは、ブリーダーズカップへの参加馬増加とブリーダーズカップ前の数ヵ月に同イベントの認知度を高める上で非常に重要な要素です。競馬関係者たちが、BCチャレンジ勝馬に対する出走登録料の無料と輸送費免除の優遇策を今年も広く活用することを期待しています」と語った。
(1ドル=約80円)
[bloodhorse.com 2012年3月22日「Breeders' Cup Expands Challenge Series to 73」]