閉場から3年が経とうとしているグレートリーズ競馬場は、新しいオーナーと契約を取り交わしたことで再開の可能性が一歩前進した。
ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(the Royal Bank of Scotland)の不動産子会社であるウエストレジスター社(West Register)は11月30日、エセックス州のグレートリーズ競馬場の占有権を11月28日に獲得したMCレーストラックス社(MC Racetracks Ltd.)との交渉がまとまったと発表した。
MCレーストラックス社はマーティンコリンズエンタープライズ社(Martin Collins Enterprises:MCE)が2011年に登記した会社であるが、MCEの創立者であるマーティン・コリンズ(Martin Collins)氏は、グレートリーズ競馬場にポリトラック馬場を供給し、2009年1月に同競馬場所有者のエセックス郡ショウグラウンド社(Essex County Showground Group)とその関連会社が事業を始めた際に主要債権者の1つとなった。
グレートリーズ競馬場の将来展望および競馬向けに再開されるとの見込みは、浮かんでは消えていた。そして最近では5月半ばに、“馬場状態のテストの実施”のために6頭の馬と4人のニューマーケットの調教師が秘密裏に集結したことで期待が膨らんでいた。
自らは競馬を施行する意思のないウエストレジスター社は、不動産の買収と所有権移転のあと買い手を探し続けた。そして11月30日に、敷地を管理してきたウエストレジスター社のベン・ディーコン(Ben Deacon)氏は、「グレートリーズ競馬場の将来の発展が今やほぼ確実と見込まれることになって喜んでいます。私たちは、BHA(英国競馬統轄機構)の免許が得られるようこの計画を支持し続けます」と述べた。
BHAの承認を得る責務は、かつて航空産業の専門家であったトニー・ジェームズ(Tony James)氏に委ねられている。同氏は以前MCEに勤務し、最近になってMCレーストラックス社のCEOに任命された。
ジェームズ氏は次のように語った。「これは長くて複雑なプロセスでしたが、最終的に契約を交わしたことは大きな成果であり、これから大変な仕事が実際に始まるわけですが、その2012年を楽しみにしています」。
「これを機会に、グレートリーズ競馬場やチェルムスフォード地区の多くの支持者を含むすべての関係団体や競馬産業からの多大なる支援に対して、感謝の意を述べたいと思います」。
ジェームズ氏は、2011年に免許取得プロセスに関してBHAに助力を求めたことを明らかにし、とりわけジェイミー・スティア(Jamie Stier)理事とフレイザー・ガリティー(Fraser Garrity)理事の名を挙げ賞賛した。ジェームズ氏は、「両氏は私たちを終始導き、今や条件は整いました」と述べ、2012年1月に免許取得プロセスが開始されると期待している。
BHAは翌年の競馬開催日程割当ての締め切りを1月31日として、毎年新たな競馬場の申込み手続きを実行している。
競馬開催日程が割り当てられるかどうか、またどの機関が2013年以降の日程割当てに関与するかは、グレートリーズ競馬場を運営しようとしているチームにとって大きな 問題である。
ジェームズ氏は、競走用馬場の適切さおよびインフラ改修の予備日程が十分に練られていることに自信があると述べた。
そして次のように付言した。「騎手と調教師によるポリトラック馬場のテストも実施されており、グレートリーズ競馬場は競走を施行するのに良い状態にあります」。
「すべての建物が構造的にしっかりとしていますが、ここ2〜3年で少しばかり損傷が出てきています。主要計画は、2012年に観客向けのサービス複合施設、2014年に最先端のグランドスタンドを建設することです」。
新しいオーナーの出現によって、以前の障害、とりわけグレートリーズ競馬場の創立者で開業時の会長であったジョン・ホームズ(John Holmes)氏とその家族および関係者が持っていた土地、アクセス権などの諸権利にまつわるものが解決されたことになる。
By Howard Wright
[Racing Post 2011年12月1日「New hope as Great Leighs finds owner」]