NYRA(ニューヨーク競馬協会)によれば、全体で8万5,811人のファンが、三冠競走最後のベルモントS(G1)が行われたベルモントパーク競馬場に足を運んだ。これは史上6番目となる入場者数であった。NYRAは10万人以上のファンがベルモントSを観戦すると予測していたが、予期しなかったアイルハヴアナザー(I'll Have Another)の出走取りやめで実現しなかった。
競馬ファンは雲に覆われた空の下、一、二滴ほどの雨に見舞われただけで、歴史が作られる瞬間を目の当たりにすることはなかった。しかし、三冠が掛かっている出走馬いないベルモントSの中で最も多数の観衆となった。
観客は馬券購入窓口においては熱狂を失ってはいなかった。
今年の場内馬券売上げは1,377万7,920ドル(約17億9,112万9,600円)で、これは2004年に12万139人の観客がスマーティージョーンズ(Smarty Jones)が三冠馬を目指した2004年の1,446万1,402ドル(約18億7,998万2,260円)をわずかに下回る史上2番目の売上げであった。
NYRAによると、13レース全体の賭事売上げは9,648万5,985ドル(約77億1,887万8,800円)で、ベルモントS開催日の売上げで史上3番目となり、昨年から18.8%増となった。
競馬場の雰囲気は、観客がパドックとウィナーズサークルで行われたアイルハヴアナザーの引退セレモニーで大いに盛り上がっていた。ベルモントSに起こった突然の出来事は、計画されていたテレビのネットワーク局でのリポートと露出がなくなったことを考慮すれば、競馬にとってはマイナス材料であった。しかし、競馬場におけるビジネスを妨げたことにはならなかったようだ。
ステファニー・ゲーツ(Stephanie Gates)氏がアイルハヴアナザーのTシャツや帽子を中心に飾っているみやげ店のテントを管理していた。同氏は、「それでもこれらの商品はよく売れていて、人々はアイルハヴアナザーに依然として関心があるようです」と語った。
ベルモントパーク競馬場の馬場内には、ファンは朝早くからベルモントSを観戦するために競馬場入りしていた。
メアリー・カラン(Mary Curran)氏は、競馬ファンとして古くも新しくもないが、三冠挑戦は彼女の週末のプランにおいて重要な位置を占めていた。彼女は、「私たちは毎年来るわけでありませんが、しばしば観戦に来ます。もちろん今回の三冠挑戦は呼び物となっていました」と語った。
ボブ・アレン(Bob Allen)氏は、「がっかりしましたが、私たちは同じ額の馬券を買うつもりです。これでくじけるものではありません」と述べた。
アイルハヴアナザーの不運を楽天的に受け止めるニューヨーカーもいた。
チャック・レンネバーグ(Chuck Renneberg)氏は、「私たちは毎年来ています。三冠馬を見ることができれば素晴らしかったでしょうが、私たちはこの雰囲気が好きです。かえって、あまり観客がいなくてよかったと考えています」と語った。
By Steve Myrick
(1ドル=約80円)
[thoroughbredtimes.com 2012年6月9日「Triple Crown disappointment cuts crowd, but not handle」]