フォートエリー・ライブレーシング・コンソーシアム(Fort Erie Live Racing Consortium: FELRC)は6月5日の総会後、フォートエリー競馬場が今年後半に最後のライブレースを開催すると発表した。今年で創立から115年を迎えたフォートエリー競馬場は、10月30日に競馬開催を終了することになる。
FELRCのCEOジム・シバート(Jim Thibert)氏は6月6日、「私たちは決定を下さなければならず、2012年は最後の年とするには区切りが良いと判断しました。2013年に引き続き競馬を運営するための資金がありません。政府は私たちが全く予期しなかった方法で支援を打ち切ってしまいました」と語った。
フォートエリー競馬場は、場内スロットマシン提供計画の廃止に伴い閉鎖される2つ目の競馬場となる。オンタリオ州政府は去る3月に、2013年春に同計画を廃止すると発表していた。また繋駕競走を開催するウィンザー競馬場も8月31日にその運営を終了する。
フォートエリー、ウィンザーおよびハイアワーサ競馬場はすべて、場内スロットマシン施設を4月30日にすでに閉鎖しており、他の州内の競馬場はその施設を2013年3月31日に閉鎖する予定である。
オンタリオ州政府はフォートエリー競馬場から、スロットマシン施設を民間会社に委託し競馬場を運営し続けるという提案を受けていた。州政府はこれを受け入れるのではなく、州内に新たに29ヵ所の“ゲーム施設”を開設することを発表し、その開設予定地にフォートエリー市は含まれなかった。
フォートエリー競馬場の81日間の競馬開催の滑り出しは上々であった。競馬開催の最初の12日間のパリミューチュエル賭事売上げは前年同期比で12%増であったが、場内スロットマシンからの資金がなければ、来シーズンは約600万ドル(約4億8,000万円)の資金減少に直面することになる。
シバート氏は、フォートエリー競馬場はホースマンとファンの支援がある限り2012年の残りの開催を運営するために尽力すると述べた。フォートエリー競馬場は7月15日に、カナダの三冠競走の第2戦プリンスオブウェールズSを開催する。
同競馬場は、運営免許の期限を2013年3月31日まで延長するためにオンタリオ州競馬委員会(Ontario Racing Commission)に申請書を送付することとしている。この期限延長によって、FELRCはその時期までにサイマルキャスト競馬の実施が可能となり、政府から追加資金が得られ、賞金に充てるチャンスを得るだろう。
オンタリオ州政府は2013年3月まで場内スロットマシン運営を通じて資金を分配し続け、賞金への追加資金は、2012年シーズンに馬を出走させたホースマンに分配されるだろう。シバート氏は、分配資金を75万〜100万ドル(約6,000万〜8,000万円)と見積もっている。
By Alex Campbell
[The Blood-Horse 2012年6月16日「Fort Erie Racetrack to close after 115 years of operation」]