根深い財政問題に見舞われたイタリア競馬界は、民営化されるまで政府の直轄となる。
ヴィットリオ・グリッリ(Vittorio Grilli)大蔵大臣は、独立競馬統轄機関としてUNIREから今年業務を引き継いだASSIが解散され、今後農務省が競馬運営を管理し、税関庁が賭事産業を監督することを発表した。
イタリアの賞金額は、競馬産業が危機の連続に見舞われたため2012年には40%減少した。今回の新たな展開は、イタリア競馬を独立採算の団体にすることを目指し、より財政的にしっかりと安定した基盤に乗せるための最後の手段である。
農務省の管轄下となる具体的な時期は決まっていないが、競馬場連合(Federation of Racecourses)のグイド・メルチ・デリル(Guido Melzi d’Eril)理事長が競馬界と賭事産業の規制改革についての報告書を発表する前であろうと考えられている。同理事長の報告書は7月に完成する予定である。
同時に国会は、パワフルな経営者団体であるコンフィンドゥストリア(Confindustriaイタリア産業総連盟)がまとめた構造改革に向けた計画を検討している。その計画の下で競馬界は、全てのビッグレースは主要な6つのサラブレッド競馬場で主催されることとなりその他の競馬との二重構造になるだろう。
競馬界の財政問題は、資金カット措置に対抗して一連のストライキが決行され、昨年末に頂点に達していた。このため競馬開催は大みそかに中止され、ピサで再開されたのは今年の2月11日であった。
By Guy Butchers
(関連記事)海外競馬ニュース 2012年No.5「イタリア競馬、予算削減に抗議するストライキで開催停止(イタリア)」
[Racing Post 2012年6月22日「Italian government set to take control of the sport」]