ターフクラブ(Turf Club)は6月15日、長期間にわたる見直しを経て鞭使用ルールを厳格化した。これにより、アイルランドの騎手は7月から、従来より重い罰則と鞭に関する定期的な査察を受けることになる。
英国が昨年鞭使用に関してより厳しい措置を導入したことから、ターフクラブは、特別分科会を設置してアイルランドの鞭使用ルールを再検討してきた。
新ルールは7月2日から発効し、 罰則が強化されるとともに使用可能な鞭のタイプに関するより明確なガイドラインが定められる。
クッション入り鞭の使用は今や義務化されるとともに、鞭をレースで使用するためには6つの基準に適合しなければならない。
騎手は肩の上から鞭を使用することを禁じられ、初めて免許を取得する騎手は全員、カラ競馬場の見習い騎手学校で開催される鞭使用についての特別クラスに出席しなければならなくなる。
またターフクラブは、一般の競馬ファンに鞭がどのようなものであるかを知らせるように努めるだろう。
ターフクラブのCEOデニス・イーガン(Denis Egan)氏は次のように説明した。「競馬開催において一般のファンが鞭を見ることができ、どのようなものであるか感じ、試すことができるようにすることを計画しています。それによって人々が、鞭が馬にとって危険な馬具ではないことを理解できるようになることを望みます」。
「鞭はおそらく検量室の外のスペースに展示されることになりますが、私たちはさらに細かい点について練り上げなければなりません」。
罰則については、定められた1年間に鞭ルール違反を犯す場合1回目は警告が与えられるのみで、裁決委員が特別な事情があると認めない限り、2回目からは違反を重ねるごとに罰則は重くなる。
また、勝つ見込みのない馬に鞭を過剰に使用した騎手や、馬の不適切な部分に鞭を使用した騎手に対し、より重い罰則が与えられる。
重要なのは、それぞれの決定が引き続き裁決委員の自由裁量に任されるという点に変更がないことであり、英国のように超過すれば罰則が与えられる鞭の使用回数は設定されていない。また騎手は、3日以下の騎乗停止処分を科された場合、G1競走の開催日に騎乗できなくなることはなく、鞭使用ルール違反によって馬が失格になるようなことはない。
鞭使用ルール変更の主なポイント 1. 現在適用されている5つの基準の代わりに、鞭の太さ、長さ、重さおよび材質に関係する6つの基準が設けられる。 2. 使用されるあらゆる鞭にはターフクラブの承認を得なければならず、ターフクラブ職員は定期的に査察を実施する。使い古された鞭の使用は禁じられる。 3. 肩の高さより上から鞭を使用することは禁じられる。 4. 定められた1年間(2012年7月2日〜2013年7月1日)において鞭使用ルールに騎手が違反する場合、1回目であれば警告が与えられる。 5. 同期間内に2回以上違反した場合は、特別の事情が存在しない限り、違反を重ねるごとに罰則は重くなる。 6. 初めて免許申請する騎手は、鞭使用についての講習を受けることになり、すでに騎乗している見習い騎手は先輩騎手から指導を受けることになる。 7. 鞭は、競馬場入場者たちが見て感じることができるよう競馬場に展示される。 |
By Jessica Lamb
[Racing Post 2012年6月16日「Irish tighten whip rules after review」]