ロンシャン競馬場改修計画は、フランスギャロ(France Galop)とパリ市議会が新たな賃貸期間の大筋合意に至ったことをうけて、実現に向けて大きな一歩を踏み出した。
この契約により、ブーローニュの森にあるロンシャン競馬場とフランスの主要障害競馬場であるオートゥイユ競馬場は2056年まで長期にわたって安泰となる。
フランスギャロの理事会がこの契約を承認したことをうけて、ベルトラン・ベランギエ(Bertrand Bélinguier)会長は、「私たちがパリ市議会と行った交渉についての最も重要な点の1つは、新たな契約がオートゥイユ競馬場とロンシャン競馬場を対象としていることです。その上、私たちには、競馬界の経済状況が変化したときに必要になるかもしれない賃貸期間を見直す選択肢が有ります」と語った。
人工馬場敷設を含むこの計画の全体的な費用としては、1億250万ユーロ(約112億7,500万円)予算計上されている。
パリ市議会は秋までこの契約を正式に承認しそうにはないが、フランスギャロは、国際コンクールで優勝した建築家ドミニク・ペロー(Dominique Perrault)氏と契約を結ぶ予定である。
パリ拠点のペロー氏の事務所は、フランソワ・ミッテラン国立図書館を建築したことでよく知られており、スポーツの分野ではマドリッドのオリンピック・テニスホールやベルリン競輪場を建築している。
2014年の凱旋門賞終了後に一旦閉場し、2016年の同レースに間に合うようにオープンすることが予定されているロンシャン競馬場改修計画は、ペロー氏によって“一連の重ねた皿(stacked plates)”になぞらえられたデザインの新しいグランドスタンドを中心としている。
ベランギエ会長は、「今や新しいロンシャン競馬場に向けて前進できることに満足しています。これは長い間討議されてきた案件です。また、オートゥイユ競馬場での障害競走の将来を確実なものにできたことにも満足しています」と語った。
By Scott Burton
(1ユーロ=約110円)
[Racing Post 2012年6月29日「Longchamp refit closer after agreement」]