アガ・カーン・スタッド(Aga Khan Studs)は、今回の生産者奨励賞の変更に関して事前相談がなかったことに抗議して生産者団体(Syndicat des Eleveurs)を脱退し、同団体の離脱者が新しいグループを設立することが囁かれている。
新しい生産者グループの設立の可能性について尋ねられたフランスのアガ・カーン・スタッドの生産マネージャーであるジョルジュ・リモー(Georges Rimaud)氏は、次のように語った。「今のところまだ脱退していない人々が一緒に取り組みたいと思うのであれば、その可能性はあります。しかし、今日そのことは話題にはなっていません。話題になっているのは、生産者奨励賞制度に採られた措置が私たちにとって、現在機能している経済モデルを破壊するように思えることです」。
「きちんとした経済議論なしにこの制度を変更することは、全く不適切に思えます」。
リモー氏は、生産者団体からさらに脱退者が出てくることをジュールドギャロ紙(Jour De Galop)にほのめかした。「私たちとは別に、可決されたものの自らの見解と一致しない今回の措置に対して同じ反発をした人々がいると思います」。
「他にも脱退者が出るとすれば、それは彼らの考えが代弁されていないと感じたからだと考えます」。
不和の元凶となったのは、平地競走の生産者賞の基本レートは10%とし、現行条項の“フランスで生産され育成された”に代って“フランスで受胎した馬”については15%に増加するという変更である。この新しいルールは、現行の“フランスで生産された馬すべてに14%”に代わって2014年に生まれる仔馬から適用される。
(訳注)このほか、国内でより多くの優良馬を生産する動機付けとしてフランスに繋養されている種牡馬を優遇するため、繁殖牝馬に12か月を通して7か月以上のフランス滞在が強制され、出国可能時期は1月15日から7月15日までとなる。
ジュールドギャロ紙の報道によれば、ヴェルテメール兄弟(Wertheimer brothers)、エテルアム牧場(Haras d’Etereham)、メズレー牧場(Haras du Mezeray)、サンペール牧場(Haras de Saint-Pair)もこの措置に不満を持っている。
リモー氏は次のように付け足した。「私の立場は、私個人と私が代表する事業体としての立場だけです。反対グループのリーダーではありません。私は単にアガ・カーン殿下の牧場の代表ですが、生産者団体の中でアガ・カーン・スタッド全体として意見を聞いてもらっていないと感じています」。
By Richard Griffiths
[Racing Post 2012年6月30日「Aga Khan in breeders’ association resignation」]