カタールのQipco社は、賞金総額を400万ポンド(約5億2,000万円)に増加させることを目標として、英国チャンピオンズデーのスポンサーを2017年まで務めることを発表した。
同社はまた、昨年フランケル(Frankel)が優勝し今年2連勝を目指しているグッドウッド競馬場のサセックスS(G1)のスポンサーを2017年までさらに5年間務めることも発表した[訳注:8月1日、フランケルは6馬身差の圧倒的な強さでサセックスSの2連勝を果たした]。
チャンピオンズデーだけではなく同イベントの関連レースもスポンサーすることになるこの強化契約によって、当面、アスコット競馬場で10月に開催される英国チャンピオンズデーにおいて毎年10万ポンド(約1,300万円)以上の賞金増加が可能になるだろうと、Qipco社および英国チャンピオンシリーズ(British Champion Series:BCS)はその声明の中で述べた。
賞金総額が300万ポンド(約3億9,000万円)の英国チャンピオンズデーは英国一の賞金総額を誇る競馬開催日であるが、フランスの凱旋門賞開催日や米国のブリーダーズカップ2日目にまだまだ差をつけられている。しかし望みがあるとすれば、それは来年までにフィリーズ&メアーズスプリントSとスプリントSを格上げしてG1競走を今年の2レースから来年は4レースに増やすことによる賞金総額のアップである。
Qipco社のCEOであるハマド・ビン・アブドゥラ・アル・サーニ殿下(Sheikh Hamad bin Abdullah Al Thani)は、「私たちは英国が世界一の競馬を開催することを確信しています。英国競馬の伝統に対して敬意と評価の念を持っているので、世界で最も重要で深く根づいたその地位を守りたいと考えています」と語った。
そして次のように続けた。「私たちはまだ長い道のりの初期段階にいますが、英国でトップレベルの平地競走が今後何年にもわたって良好に発展し、引き続き競馬産業全体に利益が行き渡ることを望んでいます」。
「この契約は、私たちが今日まで英国競馬によって得てきた大変有意義な経験と、ギニー競走開催、ダービー開催、ロイヤルアスコット開催、グッドウッド開催、ヨーク開催のような英国の最も有名で象徴的な競馬開催に関わったことによる喜びを反映しています」。
BCSのクリス・マクファデン(Chris McFadden)会長は、「これは英国競馬にとって素晴らしいニュースです。私たちはこのQipco社との新しい長期契約を非常に喜んでいます。この契約はBCSにとって安定した経済基盤となり、私たちの商業的目標の達成を可能にするでしょう」と語った。
そして、「私たちの株主は、チャンピオンズシリーズとチャンピオンズデーを実現するために莫大な投資を行いましたが、Qipco社なしではどれも不可能だったでしょう」と付言した。
昨年10月にアスコット競馬場で開催された第1回目の英国チャンピオンズデーは、世界のレーティング上位10頭の現役馬のうち6頭が出走し、その中にはフランケルもいた。
契約がサセックスSにまで広がることを発表したグッドウッド競馬場のアダム・ウォーターワース(Adam Waterworth)社長は、「スポンサーシップの継続はグッドウッド競馬場とQipco社双方に恩恵を与えるので、この新しい契約は素晴らしいニュースです」と語った。
そして、「来週施行される“グロリアスグッドウッド開催(Glorious Goodwood)”においては、ますます大きく発展している英国チャンピオンズシリーズの一環としての3レースが目玉となっています」と付言した。
By Racing Post staff
(1ポンド=約130円)
(関連記事)海外競馬ニュース 2011年No.15「英国チャンピオンズシリーズ、豪華なスポンサー契約を締結(イギリス)[開催・運営]」
[Racing Post 2012年7月「Qipco to sponsor British Champions Day to 2017」]