競馬界で最も尊敬されている人物の1人、ジョン・オークシー(John Oaksey)氏は、長い闘病生活を経て、9月5日の朝、自宅で安らかに亡くなった。83歳であった。
オークシー卿は、騎手、ジャーナリスト、作家、アナウンサーおよび精力的な慈善活動家として成功を収め、その生涯において競馬ファンの間で特別な地位を獲得した。
最も偉大な功績としては、1964年にパディ・ファレル(Paddy Farrell)騎手が怪我をしたことを受けて創設を支援した負傷騎手基金(Injured Jockeys Fund: IJF)が挙げられる。
オークシー卿は騎手としてもジョン・ローレンス(John Lawrence)という名で知られ、多くの注目すべき勝利を挙げ、とりわけ1958年には、フレーミングイースト(Flaming East)に騎乗しインペリアルカップ、またタキシダーミスト(Taxidermist)に騎乗しウィットブレッドゴールドカップ並びに当時チェルトナム競馬場で施行されていた第1回ヘネシーゴールドカップを制した。
また1963年グランドナショナルにキャリックベッグ(Carrickbeg)に騎乗し手痛い敗北を喫した。
この敗北についてジョン・ローレンス騎手(オークシー卿)は、のちにパリ大障害でフレッド・ウィンター騎手(Fred Winter)がマンダリン(Mandarin)に騎乗して優勝したときに初めて、ジャーナリストとしてお得意の素晴らしい語り口で自ら語り、その敗北はウィンター騎手の勝利と同じぐらい偶像視されるものとなった。
ITVとチャンネル4での仕事を通じて、オークシー卿はテレビ視聴者に愛されるようになった。またその人気と善行が認められて、1985年にOBEが授与された。さらにIJFはランボーンの引退騎手のための住居建設プロジェクトに“オークシーハウス”と名付け敬意を表した。
最近は、妻のチッキーとともにIFJのクリスマスカードを販売するために毎年いろいろな競馬場を訪れていたが、昨年のヘネシーゴールドカップでは自家生産の障害馬カルザーズ(Carruthers)が感動的な優勝を果たし温かい歓声がおくられた。
By Lee Mottershead
[Racing Post 2012年9月5日「Racing legend John Oaksey dies aged 83」]