サラブレッドタイムズ誌(Thoroughbred Times)は前身のサラブレッドレコード誌(Thoroughbred Record)から数えれば100年以上の歴史を持つ競馬雑誌であるが、同誌の編集長マーク・サイモン(Mark Simon)氏によれば、9月15日に事業を停止し27人の社員は全員解雇された。
同誌の親会社ボウタイ社(BowTie Incorporated)は15日朝、社員にフェデックス便で解雇通知を送りつけた、とサイモン氏は述べた。ケンタッキー州レキシントンにある同誌のオフィスは同日朝に施錠されて社員は締め出され、同誌は連邦倒産法第7章に基づく倒産処理手続きに入った。
1994年1月1日にピーター・ブラント(Peter Brant)氏からサラブレッドタイムズ誌を買収したボウタイ社は、ノーマン・リドカー(Norman Ridker)氏(74歳)によって所有されている。リドカー氏は今年これまでに、ボウタイ社が出版していた他のいくつかの雑誌を廃刊にした。
サイモン氏は、「要するに、朝の買物から帰ってきたら玄関前の階段に手紙が届いていて、社員全員が解雇されたことと連邦倒産法第7章に基づく手続きに入っていることが書かれていました。リドカー氏はボウタイ社の現状維持のため、現在資金繰りが赤字の雑誌は一切刊行することができなくなっています」と語った。
数人のフリーランスのジャーナリストとカメラマンはここ数ヵ月、サラブレッドタイムズ誌からの支払いが最大で1年遅れていると述べていた。9月15日まで給与支払は行われていたが、買掛金に問題が生じていたとサイモン氏は語った。そのため同誌は7月には刊行を毎週ではなく隔週に切り替えていた。
サイモン氏は、「私たちは出費を削減しなければなりませんでしたが、その点についてはうまく成し遂げたと思います。正直言って、リドカー氏がこの5年間にわたって財産を搾取したことでサラブレッドタイムズ誌は倒産したものと思います」と語った。
サラブレッドタイムズ誌は1985年、ディック・ブロードベント(Dick Broadbent)氏によって創刊され、サイモン氏が編集長であった。そしてブラント氏の下で同誌は、その後廃刊となるサラブレッドレコード誌と合併した。
サラブレッドタイムズ誌は、サラブレッド馬主・生産者協会(Thoroughbred Owners and Breeders Association)により刊行されているブラッドホース誌(the Blood-Horse)とともに、競馬界と生産界の現状を伝えるレキシントンの2大競馬週刊誌であった。
By Matt Hegarty
[Daily Racing Form 2012年9月15日「Thoroughbred Times ceases operations, in bankruptcy」]