ジョッキークラブは、9月10日までに受け付けた産駒報告(Live Foal Reports)から、2011年に北米で2,620頭の種牡馬が3万9,838頭の繁殖牝馬に種付けし、その結果2012年に2万2,500頭が生産されたと報告した。
ジョッキークラブは、この時点における産駒の約85%が報告されたものと推定している。2012年の産駒報告は、前年同期に受け付けた報告2万3,558頭を4.5%下回っている。
ジョッキークラブの上級副理事長兼CEOマット・ユリアノ(Matt Iuliano)氏は、「このデータは、近年の生産活動の低迷が2011年も続いていたことを示しています。今年の産駒報告の低下は、2年前の14.2%、昨年の13.5%に対し4.5%ですので、減少傾向は弱まってきているようです」と語った。
2012年の血統登録の見込みは2万4,700頭であるが、すべての産駒が血統登録されるわけではない。9月10日までに2万2,500頭の産駒が報告されたが、ジョッキークラブには2012年の出産シーズンにおいて不受胎・死産報告数(No Foal Reports)が3,056頭あった。
種牡馬数は前年同期に報告された2010年種牡馬数2,904頭から9.8%減少し、種付された繁殖牝馬も2010年の4万4,184頭から9.8%減少している。
2011年の生産統計はジョッキークラブのホームページ(www.jockeyclub.com)の“出版・情報(Publications and Resources)”において閲覧可能であり、種牡馬はアルファベット順に掲載されている。
ユリアノ氏は、「生産統計の地区別産駒数は、仔馬がどの州・地域で生まれたかではなく、どの州・地域に繋養されていた種牡馬との種付けで誕生したかという統計です。またこの統計は特定の種牡馬あるいは種付けした地域の受胎率を意味するものではありません」と強調した。
ケンタッキー州は毎年、サラブレッド生産事業においてすべての州と地域をリードしており、同州の繋養種牡馬は、2010年に北米で種付けされた繁殖牝馬の40%に種付けしており、2012年産駒の父馬として48.7%を占めている。
またこの報告によると、2011年にケンタッキー州の種牡馬257頭が繁殖牝馬1万5,918頭に種付けし、1万960頭が生まれたとされている。それぞれ前年同期の報告と比較すると、産駒報告は2010年の1万1,065頭から0.9%減少しており、種付けされた繁殖牝馬数は2010年の1万7,401頭から8.5%減少している。
9月10日までに報告された2011年に繁殖牝馬に種付けした種牡馬の繋養州・地域別トップ10の中では、フロリダ州の種牡馬だけが前年同期の報告よりも多い産駒を送り出している。
種牡馬繋養州・地域 | 2011年種付頭数 | 2012年産駒数 | 産駒数前年同期比 |
ケンタッキー | 1万5,918頭 | 1万960頭 | -0.90% |
フロリダ | 3,065頭 | 1,642頭 | 4.90% |
カリフォルニア | 2,562頭 | 1,600頭 | -9.20% |
ルイジアナ | 2,972頭 | 1,344頭 | -11.30% |
ニューヨーク | 1,192頭 | 713頭 | -5.20% |
オンタリオ | 1,490頭 | 700頭 | -4.40% |
ペンシルヴァニア | 1,331頭 | 628頭 | -20.50% |
ニューメキシコ | 1,285頭 | 585頭 | -11.40% |
オクラホマ | 1,198頭 | 509頭 | -6.60% |
テキサス | 1,183頭 | 444頭 | -23.40% |
ジョッキークラブが発表した北米の生産産駒統計には、海外の血統登録機関から報告があった北米繋養種牡馬の産駒で、海外で生まれた444頭が含まれている。具体的には、韓国で110頭、サウジアラビアで66頭、ヴェネズエラで64頭、アイルランドで41頭、英国で27頭、日本で22頭、タイで19頭、フィリピンで18頭、ブラジルで17頭、フランスで15頭、メキシコで12頭、ペルーで11頭、チリで10頭、インドで7頭、トリニダード、トバゴ島で4頭およびカタールで1頭である。
またこの報告には、南半球向けに(南半球の繁殖シーズンに合わせて)32頭の北米種牡馬が99頭の繁殖牝馬に種付けした数が含まれている。これらの繁殖牝馬はほとんどがまだ出産していない。
[thoroughbredtimes.com 2012年9月14日「Live foal reports show 22,400 foals of 2012」