生産界の実態を理解するための機会が、サラブレッド生産者協会(Thoroughbred Breeders’ Association: TBA)によって現在1人のカレッジ卒業生に与えられている。
TBAはその“次世代委員会(Next Generation committee)”を通じて、BHA(英国競馬統轄機構)のカレッジ卒業生プログラムと協力し、タタソールズ社10月イヤリングセールのブック1とブック2の終了まで牧場に派遣するプログラムを開始したところである。
一流牧場であるニューセルズパーク牧場(Newsells Park)とトゥウィーンヒルズ牧場(Tweenhills)で働くことによって、カレッジ卒業者にセリシーズンの実地体験をさせることがこの計画の目的である。
カレッジを無事卒業したショーン・マクギネス(Sean McGuinness)氏は、最初にグロスタシャーのトゥウィーンヒルズ牧場、その後ハートフォードシャーのニューセルズパーク牧場で、それぞれ1ヵ月を過ごすことになる。
マクギネス氏は見習い騎手として働いたあと、マイヤーズコフカレッジのホースケア(生産)学科で基礎レベルと職業能力評価制度のレベル3を修了し、今回のBHAのプログラムに参加した。
同氏は次のように語った。「私は英国の2つの一流牧場で経験を積む機会を与えられたことを非常に喜び、また感謝しています」。
そして、「今回のプログラムの中でマット・コールマン(Matt Caleman)氏、サム・ホスキンズ(Sam Hoskins)氏およびジョー・グリムウェイド(Joe Grimwade)氏から生産界についての話を聞き、自分がキャリアを積む産業はこの生産界であると確信し、出来る限り多くのことを学びたいと思っています」と続けた。
ニューセルズパーク牧場の場長であるジュリアン・ドラー(Julian Dollar)氏は、マクギネス氏の派遣を歓迎し、「我々の牧場は常に、生産界の未来である若い人々の間でサラブレッド生産への情熱を育むことに全力を傾けてきています」と語った。
そして、「ここには献身的で情熱を持った若いスタッフからなる強力なチームがおり、ショーンが私たちと過ごす時間から最大限の利益を得ることを望んでいます」と付言した。
トゥウィーンヒルズ牧場の経営者であるデヴィッド・レッドバーズ(David Redvers)氏は、「私たちは、サラブレッド生産界の実態を若者によく理解させるためにTBAの“次世代委員会”の役に立てることを嬉しく思っています」と語った。
そして、「生産界は、ダイナミックで動きの速い産業で、素晴らしい就業チャンスを与えます。トゥウィーンヒルズ牧場で過ごす時間が、ショーンが将来生産界で働く決心をする一助になればと思います」と付言した。
By Richard Griffiths
[Racing Post 2012年9月6日「Next Generation and BHA launch stud work scheme」]