BHA(英国競馬統轄機構)は、競馬産業全般にわたる主要統計に関するガイドを公表した。BHAのポール・ロイ(Paul Roy)会長は、「これは、英国競馬界の強みと目の前に立ちはだかっている課題とを誠に時宜に適った形で思い出させてくれます」と述べた。
この『英国競馬ファクトブック2011-12(British Horseracing’s Fact Book)』は、馬の全頭数、競馬関係者(馬主、調教師、騎手、厩舎スタッフ)、競馬場、競馬日程、レース数、賞金額などの分野の統計、および過去5年間の動向を詳述している。そして、競馬場入場者は増加しているが馬主と馬の数は減少していることが示されている。
ロイ会長はファクトブックの序文において、「私たちは、質の高い非常に素晴らしい競馬を開催し続けています」と述べた上で、次のように続けている。「顧客関連の主な数的指標の一つである競馬場入場者の数は堅調であり、まさに記録を樹立しましたが、基本的な指標の多くは数年前の全盛期の数字から大幅に落ち込んでいます」。
「それはすなわち馬主や現役馬の数、生産活動などであり、これらの指標は、競馬の資金調達の仕組みの不備のために国内外の経済不況による影響が増幅され、大きく悪化しています。競馬の核となる指標においておそらく未だかつてないほどの落ち込みです」。
統計は現役馬が2008年の1万5,349頭から8.42%減の1万4,056頭となったことを示している。
現役馬の2011年の馬主数は、2007年の9,551人から11.79%減の8.425人となった。ただ、2011年の新規馬主は5年ぶりにわずかながら増加している。新規馬主は2007年には2104人で、2010年には1659人にまで減少したが、2011年には23人増加した。
英国に繋養されている繁殖牝馬は5年間で16%減少し、2011年には9,317頭となった一方、誕生した産駒は、2008年から2011年までの間に21.7%減少し4,635頭となった。2008年に英国には600人の調教師がいたが、2011年には3.17%減少し581人となった。一方、騎手の数は2011年にここ5年間で最も多い水準の454人であった。
ロイ会長は次のように結論づけた。「私たちは、競馬界の内部組織および英国賭事産業など外部の中心的な顧客との新しいパートナーシップを通じて、競馬の財政基盤をより安定したものにするために熱心に取り組んでいます」。
このファクトブックは以下のウェブサイトで閲覧することができる。
(http://britishhorseracing.com/fact-book/)
By Bill Barber
[Racing Post 2012年10月14日「New BHA book reveals decline in horses and owners」]