シャンティイ競馬場の新しい全天候型馬場は12月16日、初めて数人の調教師が管理馬をギャロップさせ、問題なく主要なテストに合格した。
この全天候型馬場は既存の芝コースの内側に5ヵ月かけて敷設された。
シャンティイを拠点する英国人のルパート・プリッチャード-ゴードン(Rupert Pritchard-Gordon)調教師も、ロベール・コレ(Robert Collet)調教師、ニコラ・クレマン(Nicolas Clement)調教師およびジョゼッペ・ボッティ(Giuseppe Botti)調教師と共に新しい馬場をテストする機会に恵まれたうちの1人であった。
シャンティイ競馬場の競走役のマチュー・ヴァンサン(Mathieu Vincent)氏は、「これは第1段階のテストですが、非常に満足しています。次に数人の騎手の意見を聞くことを12月20日に予定しています」と語った。
これまで最も近い全天候型馬場はノルマンディーの海岸近くのドーヴィル競馬場にしかなかったので、シャンティイ競馬場における敷設は、競馬統轄者だけでなくフランス最大の調教センターを拠点とする多くの競馬関係者によって歓迎されている。
ヴァンサン氏は、「このシャンティイ競馬場の全天候馬場は通年で週に2日調教に供されることになり、もし霜のために森の砂のギャロップ走路が閉鎖される場合には、冬の間毎日開場されます」と語った。
2万5,000トン以上の土壌入替えを監督したフランスギャロ(France Galop)の馬場改造専門家のポール-ジャック・タンべス(Paul-Jacques Tanvez)氏は、「この馬場はケンプトン競馬場の全天候型馬場に非常に近いです」と語った。
そして、「これは、1万5000トンの石とタールマカダムの層の上に1万2000トンのポリトラックを敷いた古典的な全天候型馬場の構造です」と付け足した。
(注)タールマカダムとは、舗装材として使われる砕石とタールの混合物
タンベス氏と彼のチームには、シャンティイの自然を考慮して特別に配慮すべきことが2つあった。
「シャンティイの気温は低くなるので、より凍結しにくくするためゼリー状の電線被覆材を混ぜてあります。もう一つの課題は、直線コースの斜面が第4コーナーから9メートル高くなっていることで、これは大変でした」とタンベス氏は語った。
新しい馬場での最初の開催がいつになるかは決まっていないが、もし残りのテストが問題なく終われば、フランスギャロが年明けに行う番組発表の中で冬の終わりか春先の開催日程に入れられるだろう。
By Scott Burton
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[Racing Post 2011年12月16日「Chantilly all-weather track passes key test」]