英国とアイルランドにおける産駒数の減少傾向がかなりスローダウンする兆しが出ている。
ウェザビーズ社(Weatherbys)の中間報告は“産駒数の減少が底をついた”ことを示唆している、と同社CEOのポール・グリーヴス(Paul Greeves)氏は語る。
アイルランドの産駒数は、2007年から40%減少し、英国の産駒数は2008年から25%減少している。しかし2011年には、アイルランドの産駒数が2010年の7,128頭から6,890頭に、英国の産駒数が2010年の4,662頭から4,502頭に減少したものの、いずれもその下げ幅はわずか3%であった。
グリーヴス氏は、「私たちがここ数年で経験した毎年の大幅減少とは異なり、ほぼ底をついたと考えています」と述べた。同氏の声明により、英国とアイルランドの競走馬総数が将来の競馬開催日数を満たすのに苦労するほど少なくなるかもしれないという懸念は緩和されるだろう。
同氏は次のように続けた。「今後の産駒数に関しては、アイルランドでは新たに繁殖入りする牝馬の数が昨年よりも上回ったので、前向きな兆しがいくつかあります。英国もまた取戻しつつあります。たとえば、2011年11月には新たに繁殖入りする牝馬の数が2010年11月の数を上回っており、再び繁殖牝馬に投資されつつある兆しが見えます」。
2011年の最終的な産駒数は2012年2月に確定する。その間グリーヴス氏は、2007年からどのレベルの産駒が減少しているのかを把握するために調査を実施するだろう。
グリーヴス氏は次のように語った。「まだ明らかになっていないのは、産駒数が少なくなったことでどのレベルが影響を受けたかという点です。高い質の馬は持ちこたえ、下級馬が減少したのかもしれません」。
「最上級の質の馬は維持されたという報告が数多くありますので、それを解明することは興味深いです」。
産駒の減少は2011年のセリの売上げに良好な影響を与えた。意外にも馬の需要は持ちこたえ、供給が減少したことで平均価格は押し上げられた。
優秀なコンサイナーであるテッド・ヴォート(Ted Voute)氏は12月16日の本紙のコラムにおいて、たとえばタタソールズ社のブック1のカタログには2011年に500頭(2010年は700頭)の1歳馬が掲載されていたが、2012年にはさらに50頭減るかも知れないが、一方で人気馬への需要は増加することになるかもしれないと述べている。
※毎年9月30日までに確認された数字
By Richard Griffiths
[Racing Post 2011年12月17日「Foal numbers start to level out」]