海外競馬ニュース 2012年12月06日 - No.50 - 3
騎手によるパロディービデオで若年層を惹き付ける試み(イギリス)[その他]

 競馬界の若年層を惹きつける試みは時に競馬を意外な方向に向かわせるが、5人のベテラン障害騎手が先週インターネット上で大評判となったパロディービデオほど並外れたものはなく、全く奇抜なものであった。

 この夏の韓国のヒット曲『ギャングナムスタイル(Gangham Style)』をもじった競馬変革プロジェクト(Racing For Change: RFC)主導の『ジョッキースタイル(Jockey Style)』というパロディービデオは、1週間前にユーチューブ(YouTube)に投稿されて以来45万人以上に視聴され、その過程で、チャーリー・ハクスリー(Charlie Huxley)騎手、デイヴ・クロス(Dave Crosse)騎手、ジェラルド・テューメルティー(Gerald Tumelty)騎手、サム・ジョーンズ(Sam Jones)騎手およびコリン・ボルジャー(Colin Bolger)騎手のおぼつかないダンスの才能が世界に宣伝された。

 米国を拠点としていた元騎手のケヴィン・トービン(Kevin Tobin)氏が作詞し自ら歌ったこの97秒の映像作品へは、仰天した視聴者から「いい加減にしてくれ」「くだらなさもここまで来ると、かえってよさがある」「これ最高!」といったいろいろな反応があった。

 最も楽しい場面は、“ヘイ、セクシーホーシー(hey, sexy horsey)”という見事にもじったフレーズのあとに“ヤップ(yep)”が10回繰り返される愉快なクライマックスであり、また面白い画面は、クロス騎手がトニー・マッコイ(Toney McCoy)騎手の等身大パネルにハンバーガーを食べさせようとしているシーンである。

 この『ジョッキースタイル』を監督および編集したルーク・ハーヴェイ(Luke Harvey)氏は「信じられないほどの反応でした。少しは人気が出るかもしれないと思いましたが、これほど大ヒットするとは思いませんでした」と語った。

 そして次のように続けた。「こうしたいというアイデアのようなものは持っていました。しかし、ランボーン北部のブレンダン・パウエル(Brendan Powell)調教師の厩舎に5人の騎手と集まった時に、実際にオリジナルのギャングナムスタイルを見たことがあるのはクロス騎手だけでした。そこで私たちはネットで見るためにパブへ行き、ついでにそれぞれ2〜3杯のビールを飲み、その場所でハクスリー騎手がレーシングポスト紙を読む場面を撮りました」。

 「他の騎手はぎこちなかったので、ハクスリー騎手を主人公にしなければならないと言うことがすぐにはっきりしました。彼らは監督するにはむちゃくちゃなグループでした。それを監督することは全くの悪夢でしたので、かきむしる髪がほとんど私にはなくて良かったです。彼らに向かってずっと大声を出していましたが、本当に気はいい人たちで、最終的にビデオは完成できました」。

 RFCのステファニー・ジョーンズ(Stephanie Jones)氏は、彼らが行なったことに満足している。そして、「私はこれが大ヒットする可能性があることを分かっていました。これがユーチューブに投稿された日に、アント&デック(Ant and Dec 英国の人気司会者およびコメディアン)が気に入ったとツイッターで呟きました。それから本当の大ヒットとなりました。非常に少額の費用でこのように競馬を宣伝できたことは素晴らしいことです」と語った。

 ビデオを視聴するにはユーチューブにアクセスし、“Jockey Style”で検索してください。
http://www.youtube.com/watch?v=cEM2uQW477I

By Lee Mottershead

[Racing Post 2012年11月13日「Internet hit as Jockeys turn on Gangnam Style」]