海外競馬ニュース 2012年12月13日 - No.51 - 2
ダンロップ調教師、スノーフェアリーの優勝はく奪に落胆(イギリス)[その他]

 スノーフェアリー(Snow Fairy)は復帰が危ぶまれた故障から9ヵ月ぶりの素晴らしいカムバックを果たし、この夏ジャンロマネ賞(G1)に優勝したが、薬物検査によってその勝利がはく奪された。

 8月19日のジャンロマネ賞の後、エド・ダンロップ(Ed Dunlop)調教師の管理馬スノーフェアリーの定期薬物検査のサンプルから、禁止薬物の痕跡が発見され、フランスギャロ(France Galop)から失格とされた。そしてスノーフェアリーの3/4馬身差の2着だったジョン・ゴスデン(John Gosden)調教師管理のイージートップ(Izzi Top)が優勝馬となった。

 フランスギャロのスポークスマンであるジュリアン・ペスカトール(Julien Pescatore)氏は、「スノーフェアリーがジャンロマネ賞の優勝をはく奪されたことを正式に発表します。裁決委員は調教師に4,500ユーロ(約49万5,000円)の過怠金を科しました」と語った。

 ダンロップ調教師は声明を出し、その中で、スノーフェアリーを治療するために投与されていた抗炎症剤が予期していたよりも長く体内に残留した結果として薬物検査に引っかかったのは自身の責任であると述べた。

 そして次のように語った。「悲しいことに、スノーフェアリーはドーヴィル競馬場で施行されたジャンロマネ賞の後に受けた定期薬物検査の結果、同賞を取り上げられました。昨年末発症した重い屈腱炎のために、抗炎症剤を使用することを余儀なくされていました」。

 「残念ながらその体内残留期間は助言されていたよりも長期に及びました。調教師が最終的な責任を負っており、すべての関係者に心からお詫びを申し上げたいと思います」。

 1年前の香港遠征前に発症した屈腱炎は、スノーフェアリーのキャリアを危機に晒していた。

 同馬はフランスで出走した際には回復したばかりであったが、その後レオパーズタウン競馬場のアイリッシュチャンピオンS(G1)ではナサニエル(Nathaniel)とセントニコラスアビー(St Nicholas Abbey)を下してレコードタイムで優勝した。その後凱旋門賞を目指していたが、今回の問題の発生もあって回避したものと思われる。

 馬主のクリスティーナ・パティーノ(Cristina Patino)氏のレーシングマネージャーであるパトリック・クーパー(Patrick Cooper)氏は、「このフランスギャロからの知らせは、非常に悔やまれるものです。私たちはフランスギャロからこの件について2ヵ月前に知らされ、調査に協力してきました」と語った。

 そして、「このことは、模範的な調教を行いこの素晴らしい牝馬をケアしてきたダンロップ調教師とそのチームを大きく動揺させました。しかし私たちは同調教師を精一杯支援します。また、このことが同調教師およびスノーフェアリーの偉業を損なうものではないと確信しています」と付言した。

By Jon Lees
(1ユーロ=約110円)

[Racing Post 2012年11月29日「Dunlop sorry as Snow stripped of Romanet win」]