海外競馬ニュース 2012年12月20日 - No.52 - 2
ベットフェア社、カリフォルニア州の承認で米国進出へ一歩前進(アメリカ)[その他]

 ベットフェア社(Betfair)の米国へ進出しようとする強い願望は、カリフォルニア州競馬委員会(California Horse Racing Board: CHRB)が同社の州内でエクスチェンジ賭事を許容するルールを承認したことで、大きな後押しを受けた。

 しかし満場一致の承認が突破口にはなったものの、そのルールの実行には、法的な異議申立ての可能性があるのをはじめとする潜在的な障害が存在している。

 ベットフェア社の役員は、不確実な状況が続いているにも拘わらず、同社および米国内でインターネット賭事と競馬チャンネルを提供する子会社TVGにCHRBが州内賭事運営免許を発行したことで、いっそう勇気づけられたはずである。しかし同社は11月16日にコメントを発表しなかった。

 CHRBの25のルールは今後、カリフォルニア州行政法局(California’s Office of Administrative Law)によって精査され、要件を満たせば、最終確認のために州務長官に送られることになる。その段階に到達することになれば、カリフォルニア州の競馬産業はエクスチェンジ賭事に対する監視技術を整え、準備を押し進めることができる。

 しかし、行政法局が見直し過程において懸念を提起したり、異議申立人が裁判を起こすことになれば、法的承認は大幅に遅れるだろう。

 デイリーレーシングフォーム紙(Daily Racing Form)によれば、ベットフェア・TVG社の役員は11月15日にCHRBに対し、米国最多の人口を有し世界第8位の経済を誇るカリフォルニア州でベッティング・エクスチェンジを提供する準備を整えるまでにあと数ヵ月を要するだろうと述べていた。

 ベットフェア社は、カリフォルニア州の市場にベッティング・エクスチェンジを導入しようとする過程において多くの障害にぶつかっており、6月にはカリフォルニア・サラブレッド馬主会(Thoroughbred Owners of California)が、エクスチェンジ賭事に青信号を出すことを拒否していた。

 エクスチェンジ賭事は2010年にカリフォルニア州議会によって承認されていたにもかかわらず、その決定は水も漏らさぬ法ルールを作成するCHRBの判断にかかっていた。法律制定にはエクスチェンジ賭事が規制を受け入れることも必要とされ、CHRBはこの点について、ベットフェア社およびその競合相手で間もなく運営免許を申請する予定のツインスパイアーズ社(TwinSpires)に対し、必要となるハードウェアとソフトウェアの購入を求めている。

 昨年12月、ベットフェア社はカリフォルニア州の競馬場とホースマンに対して、ベッティング・エクスチェンジへの賭金の10%にあたる控除率を適用する提案をしたと伝えられているが、同社が引き続きその意向を持っているかどうかは明らかでない。

By Graham Green

(関連記事)海外競馬情報2012年No.10「カリフォルニア州競馬委員会、エクスチェンジ賭事の規制ルールを承認(アメリカ)」

[Racing Post 2012年11月17日 「Betfair boost in US after ruling in California」]