ベットフェア社(Betfair)は11月26日、ギリシャ市場から撤退することを発表した。これは、ベッティング・エクスチェンジ提供のコストが収入見込みのうち1,300万ポンド(約16億9,000万円)にも上る可能性があることからとられた措置である。
同社は声明において、政府による規制の状況がより明瞭になるまでギリシャから撤退すると表明した。
そして、「ベットフェア社は今日まで、賭事運営免許の価値が明確でないことからギリシャでの賭事運営免許を申請していません。ギリシャにおける賭事法は欧州の法律と一貫性がないと考えています」と続けた。
そして次のように付言している。「さらに、これら免許に付された財政条件には過去に遡った収入への納税も含まれており、我々にとってギリシャ市場を魅力のないものとしています」。
「欧州委員会(European Commission: EC)が以前保護主義的措置は導入させないと述べていたにもかかわらず、保護主義的行動を防ぐ有効な手立てを講じなかったことにがっかりしています」。
遠隔賭事協会(Remote Gambling Association: RGA)と欧州ゲーミング・賭事協会(European Gaming and Betting Association: EGBA)はECに対して、ギリシャの一部国有の賭事業者OPAPがインターネット賭事市場の独占を拡大しそれに対する厳しい強制措置を課す規制を正式に通知しなかったことに、不服申立てを行ったが、EUの法律との整合性は依然として疑問のままである。
欧州の大手遠隔賭事業者を代表するEGBAとRGAは、ギリシャ政府がインターネット賭事業者への免許付与を開始しなかったことを憂慮している。それは、2011年8月に可決された賭事法の中心的な措置と言われていた。それどころかOPAPは2030年まで10年間の運営が認められた。
RGAのCEOクライヴ・ホークスウッド(Clive Hawkswood)氏は、「ギリシャ政府と賭事委員会は、競争市場の発展を奨励するのではなく欧州の大手民間賭事業者を競争市場から締め出しています」と語った。
By David Baxter
[Racing Post 2012年11月27日「Disappointed Betfair pull out of Greece」]