ジョニー・ムルタ(Johnny Murtagh)騎手とアガ・カーン(Aga Khan)殿下との専属騎乗契約が2012年8月に突然終わり、かわってデクラン・マクドノー(Declan McDonogh)騎手が2013年シーズン、同殿下のアイルランドにおける主戦騎手となる。
32歳のマクドノー騎手は2006年にアイルランドのリーディング騎手となり、キャリアの大半においてケヴィン・プレンダーガスト(Kevin Prendergast)厩舎の馬に騎乗してきた。
アガ・カーン殿下のアイルランドにおける生産マネージャーであるパット・ダウンズ(Pat Downes)氏はこの契約の存在について認め、11月28日に次のように語った。「デクラン・マクドノー騎手は、来年アイルランドにおいてアガ・カーン殿下の主戦騎手を務めることになっています。同騎手は過去にも我々の馬に騎乗しており、2012年の後半には数頭を優勝に導き、その中には10月にレオパーズタウン競馬場で勝鞍を挙げたことで将来が楽しみとなったザンド(Zand)がいます」。
「この新しい騎乗契約に期待しています。マクドノー騎手はジョン・オックス(John Oxx)厩舎に預けている有力馬に騎乗することになるでしょう」。
「また、マイケル・ハルフォード(Michael Halford)調教師にも馬を預けており、その所属騎手シェーン・フォーリー(Shane Foley)騎手も健闘しているので、我々の所有馬に騎乗する2人の騎手がうまく勝鞍を分け合う状況となると思います」。
マクドノー騎手はプレンダーガスト調教師とのコンビで、リベライン(Rebelline)で2002年のタタソールズゴールドカップ(G1)を、ターマガント(Termagant)で2009年モイグレアスタッドS(G1)を、キングスフォート(Kingsfort)で2009年アイルランドナショナルS(G1)を、ラコリーナ(La Collina)で2011年フェニックスS(G1)をそれぞれ制している。
騎乗技術が最も優れた騎手の1人であるといわれているマクドノー騎手は、2006年にプレンダーガスト調教師の管理するミスベアトリックス(Miss Beatrix)に騎乗してゴフスミリオンに優勝し、67万9,000ポンド(約9,506万円)強という自身のキャリアで最大の賞金を獲得した。
マクドノー騎手は次のように語った。「私はアガ・カーン殿下の主戦騎手となることに胸が高鳴り、有名な緑に赤のエポレットのついた勝負服で来年定期的に騎乗できるのは光栄で名誉なことです」。
「長年にわたり私を支援して下さったプレンダーガスト調教師と奥さんのレスリー、そして馬主に感謝したいと思います。今後可能なときには彼らのために騎乗することを楽しみにしています」。
一方ムルタ騎手は、8月にアイリッシュセントレジャーS(G1)のステップレースにおいてアガ・カーン殿下の1番人気馬ハータニ(Hartani)が敗れた後、当事者間の意見の衝突もあって即効解雇となった。
このレースの勝馬ウルサメジャー(Ursa Major)がムルタ騎手が所有する厩舎施設を借用しているトミー・カーモディ(Tommy Carmody)調教師の管理馬であったことで生じた衝突だと言われている。この決裂によって、アガ・カーン殿下との2回目の専属騎乗契約は終了した。ムルタ騎手は過去の契約期間中に、シンダー(Sinndar)で英ダービー(G1)と凱旋門賞(G1)、アラムシャール(Alamshar)で愛ダービー(G1)を制している。
By Tony O’Hehir
(1ポンド=約140円)
[Racing Post 2012年11月29日「McDonogh lands Aga Khan job」]