海外競馬ニュース 2012年02月16日 - No.8 - 4
チャーチルダウンズ社と騎手組合の資金援助を巡る争いが終結(アメリカ)[その他]

 騎手組合(Jockeys’ Guild)とチャーチルダウンズ社(Churchill Downs Inc.:CDI)の争いは、競馬場運営会社CDIが騎手組合との契約更新に合意したことから解決した。

 騎手組合は声明において、「騎手組合のメンバーであり国内で騎乗するすべての騎手に健康保険、生命保険および傷病手当金を助成するために、CDIは騎手組合への資金提供に合意しました」と述べた。複数年契約の期間については明らかにされなかった。

 CDIは昨秋、騎手組合への毎年の資金援助を打ち切ると発表していた。これまでCDI所有のチャーチルダウンズ競馬場コールダー競馬場アーリントンパーク競馬場およびフェアグラウンズ競馬場は、合計で33万ドル(約2,640万円)の資金援助をしていた。騎手組合はその資金と引き換えに、販売促進を目的に騎手の映像を使用するメディア権を競馬場に付与してきた。

 今回の争いにより、CDI所有の競馬場で騎乗する騎手はCDI理事会に嘆願書を出し契約更新を訴えていた。またカリフォルニア州とイリノイ州は、CDI所有のツインスパイアーズコム社(TwinSpires.com)に会員制賭事(advanced deposit wagering:ADW)免許を一時的に付与しなかった。

 騎手組合のテリー・ミックス(Terry Meyocks)事務長は、「CDIが騎手への福祉手当を支援する誓約を心から評価しています。この契約は、騎手組合の950人近くのメンバー(現役騎手、引退騎手および回復不能の障害を負った騎手)に直接的な利益を与えます。私たちが競馬場パートナーすべてから支援を受けることは非常に重要なことです」と語った。

 騎手組合は現在、生命保険、災害死亡保険、および一時的障害手当を所属騎手に提供しており、回復不能の障害を負った騎手には生命保険と援助金を提供している。

By Blood-Horse Staff
(1ドル=約80円)

(関連記事)海外競馬ニュース 2011年No.47「騎手組合、チャーチルダウンズ社に援助打切りを再検討するよう要求(アメリカ)」

[bloodhorse.com 2012年1月23日「CDI, Jockeys' Guild Reach Agreement」]