海外競馬ニュース 2012年02月23日 - No.9 - 4
2012年ロイヤルアスコット開催、ドレスコードを厳格化(イギリス)[その他]

 ファッション評論家の間でよく話題になる“大きな髪飾り”は、アスコット競馬場が2012年ロイヤルアスコット開催時のロイヤルエンクロージャー(特別観覧席)のドレスコードを厳格化したことから、最も影響を受けることになる。

 しかし新しい鞭使用ルールとは違い、少なくとも女性に関しては若干の裁量が残されている。ドレスはわずかに膝上かそれより長い“慎ましやかな長さ”でなければならず、流行の髪飾りは禁じられるものの、土台が直径10 cm以上の帽子であれば自由なデザインのものを被ることができる。

 アスコット競馬場は、2011年の入場者数増加と共に“肌を露出する”流行に頭を悩ませているが、ミニスカートとミッドリフ(胴の中央部を露出する婦人服)は、肩紐の無いドレスやホルターネックのドレスとともにこれまで通り禁止される。

 一方特別観覧席に入場する男性は、黒とグレーのモーニングスーツを着用するだけでグレーゾーンはないが、これからは黒い靴とネクタイを着用しなければならず、洒落た蝶ネクタイをつけることはできない。

 特別観覧席の外側でも、競馬場入場者は身なりを整えなければならず、女性はこれから帽子を被ることを求められるだろう。ただし、グランドスタンドにおいては髪飾りは許可される。男性はジャケットだけを着るのではなく、ワイシャツとネクタイの上にスーツを着用しなければならない。

 昨年入場を拒否されたのは胸をはだけた観客のみであったシルバーリングにおいてさえもドレスコードはわずかに厳格化された。今年はプレミアリーグのユニフォームが禁じられる。

 アスコット競馬場のCEOチャールズ・バーネット(Charles Barnett)氏は、過去エイントリー競馬場のグランドナショナル開催で金曜レディースデーを手掛けたことがあるが「私たちは“フォーマルドレス”が意味していることをより良く定義するためにファッション界の専門家たちと共に十分に協議し、その狙いが理解されるよう取り組んできました。そして、ロイヤルアスコット開催のドレスコードの伝統を尊重することはできたと確信しています」。と語った。

 アスコット競馬場によれば、髪飾りの禁止は髪に直にクリップ止めされる羽根の増加に歯止めをかけるためであり、新しくサイズが設定された帽子でも十分創造性を発揮する余地はあるだろう。

 バーネット氏は次のように付言した。「私たちは毎年ロイヤルアスコット開催の終了後多くの書簡による意見をもらっており、ドレスコードの変更にはファッション専門家と同様に顧客の声も反映されています」。

「大半の人々は明確で簡潔なドレスコードに従うことを望んでいます。それはエリート意識の問題ではありませんし、きちんとした服装をする機会が少なくなってきている現代から昔に戻ろうというものでは決してありません。ロイヤルアスコット開催において、正装の範囲内で現代的かつスタイリッシュなドレスを見たいのです」。

 新しいドレスコードは既にアスコット競馬場のウェブサイトには掲載されているが、6月19日〜23日のロイヤルアスコット開催期間中入場門でのトラブルを避けるために、チケットに明記される。

 2011年のロイヤルアスコット開催の入場者数は、木曜と土曜のレディースデーは7万人を超え、土曜は7万6,945人であった。

By Bruce Jackson

[Racing Post 2012年1月18日「Ascot tightens dress code for 2012 royal meeting」]