米国の伝説的騎手で、引退後7年のブランクを経て1月に劇的な復帰を果たしたゲイリー・スティーヴンス(Gary Stevens)騎手は、この夏シャーガーカップに騎乗するため英国に戻って来る。
殿堂入りを果たした49歳のスティーヴンス騎手は、8月10日のシャーガーカップで“欧州以外の地域チーム”のキャプテンとなってアスコット競馬場に戻って来る。スティーヴンス騎手は、同競馬場での1999年ロイヤルアスコット開催において、エリザベス女王の所有馬ブループリント(Blueprint)でデュークオブエディンバラHを制した。当時同騎手は、サー・マイケル・スタウト(Sir Michael Stout)調教師の常連騎手として英国での騎乗生活を満喫していた。
ケンタッキーダービー(G1)3勝のスティーヴンス騎手は、ロサンゼルスで次のように語った。「非常にワクワクしています。本当に長い間ブランクがあったので再びシャーガーカップに招待してもらえて光栄です。本当に有難いことです。大好きな競馬場で再び騎乗できることを楽しみにしています」。
「どのようにスケジュールを立てられるか定かではありませんが、家族とともに1週間何とか楽しく過ごせるよう努めます。そしてたぶんシャーガーカップ以外ではワーキングホリデーとして過ごし、スタウト調教師に会いにニューマーケットに行き、もしかすると調教に騎乗するかもしれません」。
アスコット競馬場のPR担当理事であるニック・スミス(Nick Smith)氏は、スティーヴンス騎手が1月12日に復帰後初めて優勝した翌日、同騎手がシャーガーカップに出場する可能性について本紙に聞かれ、スティーヴンス騎手に会うつもりであると答えていたが、その出場が確認できたことに満足し、次のように語った。
「スティーヴンス騎手が復帰してすぐに、同騎手の名前はシャーガーカップの出場者リストのトップに挙がっていました」。
そして、「先週サンタアニタ競馬場で打診することができました。今の騎乗ぶりは全く勘を失っておらず、英国での騎乗経験もあり、“欧州以外の地域チーム”のキャプテンになることを依頼するのはごく自然です」と付け足した。
スティーヴンス騎手は、英国に愛着があることをたびたび話していた。同騎手は、サー・ヘンリー・セシル(Sir Henry Cecil)調教師管理のロイヤルアンセム(Royal Anthem)に騎乗して英インターナショナルS(G1)に優勝するなど1999年に英国で46勝を挙げた。また1997年のロイヤルアスコット開催では、ゴドルフィン所有のプレダッピオ(Predappio)に騎乗しハードウィックS(G1)を制した。
「アスコット競馬場には懐かしい思い出があります。世界中で最高の競馬場の1つです。何と言っても女王陛下のブループリントに騎乗したことは特別なことです」とスティーヴンス騎手は語った。
そして、「また渡英することは素晴らしいことです。最後に欧州に行ったのは、2004年にアンドレ・ファーブル(Andre Fabre)調教師の管理馬に騎乗した時で、そのときロイヤルアスコット開催週の間ずっと滞在していたので、再び行けることは素晴らしいことです。引退してから海外には行っていません」と付け足した。
長年にわたる膝の痛みのために2005年に引退したスティーヴンス騎手は、1月6日の電撃復帰後4勝を挙げており、「どうなるか分かりませんでしたが、何とかうまく行っていることに興奮しています。そしてこのように早くチャンスを与えてもらい、感謝しています」と語った。
そして、「多くの人が私の復帰に懐疑的だったと思いますが、良いスタートを切ることは重要だと分かっていました。私がどれだけ真剣だったか分かってほしいです。気分は最高で、体調は引退前の3〜4年よりいいです」と付言した。
アスコット競馬場は、この他シャーガーカップの“ガールズチーム”の目玉として米国リーディング女性騎手のロジー・ナプラヴニク(Rosie Napravnik)騎手も招待したいと考えている。ナプラヴニク騎手は、昨年の最優秀2歳馬シャンハイボビー(Shanghai Bobby)とコンビを組み、BCジュヴェナイル(G1)を制したことで有名である。同騎手は昨シーズン、この他にもケンタッキーオークスなど3つのG1を制している。
By Nicholas Godfrey
(関連記事)海外競馬ニュース 2013年No.8「ゲイリー・スティーヴンス騎手、シャーガーカップに出場か(イギリス)」
[Racing Post 2013年2月17日「Stevens to return to Britain as Shergar Cup team captain」]