BHA(英国競馬統轄機構)は、元英国オリンピックチームの獣医師を英国競馬界の馬福祉担当の責任者に任命したと発表した。
ジェニー・ホール(Jenny Hall)氏は、BHAにおける獣医業務と馬の福祉についての責任を担う最高獣医責任者の役割を引き受ける。
同氏の任命により、昨年11月にBHAの馬科学・福祉担当理事ティム・モリス(Tim Morris)氏が年明けに辞任することが発表されて以来後任者が決まらず混迷していた状態に終止符が打たれた。
ホール氏はモリス氏の役目を全く同じ形で引き継ぐわけではなく、最初に取り組む職務は、BHAが運営見直しの一環として行う獣医部門の体制の検討になる見込みである。
BHAのCEOポール・ビター(Paul Bittar)氏は、次のように語った。「ホール氏の最高獣医責任者への起用について満足しています。同氏の馬獣医学分野における功績と職責による素晴らしい経歴ばかりでなく、競馬およびその関係者についての深い理解も、この役職に生かされるでしょう」。
「ホール氏の起用は、BHA内部での全体的なリーダーシップとチーム体制を見直そうとする計画の一環です。このプロセスは今年いっぱい続きます」。
51歳のホール氏は、シドニー、アテネおよび北京オリンピックで総合馬術競技チームの獣医師を務め、2012年ロンドンオリンピックではロンドンオリンピック・パラリンピック組織委員会(LOCOG)の獣医業務管理者を務めた。
長年にわたりランボーンのホール&ローレンス診療所(Hall and Lawrence)の共同経営者として馬の診療に携わり、エプソム、サンダウンおよびケンプトン競馬場において競馬場獣医師も務めた。そして獣医責任者として2011年1月にBHAに加わった。
同氏は次のように語った。「このようなやりがいのあるわくわくする役職に任命されたことを嬉しく、また光栄に思います。私たちの目標は、英国競馬界に高水準の馬の福祉と獣医治療をもたらすことであり、そのために関係者と一緒に取り組むことを楽しみにしています」。
「最初の課題は、命ぜられた獣医部門の体制見直しの指揮と、その結果の実行の監督に取り組むことです」。
2005年エプソム競馬場のリステッド競走ウッドコートSを制したビーエーフォクストロット(BA Foxtrot)を生産したことも、ホール氏の功績の1つである。
By Bill Barber
[Racing Post 2013年2月14日「Lambourn vet Hall appointed by BHA」]